冤罪で家族全員から見捨てられた俺は…  [祝201万PV突破!!]

聖羅 

File.1 冤罪

俺は考え続けた…どうすればこの状況を打開することができるのかと…ニュースでは俺がしたとされている痴漢について話が展開されている…もっとも被害者を擁護するような内容ばかりで俺に対しては大分過激なことを言っている人もいるようだった。


名前は幸い公開されていないものの、学校のやつは気づいているだろう…




あの日…いつもよりも空が淀んでいた気がする…


俺はいつも通り、急行電車に乗って何駅か先の高校前の駅につくまで寝るつもりだった…しかし、此処で事件が起こったのだ…


「今日は人数が多いな…立ってるしか無いか…」


何故かいつもよりも乗車人数が多いことに戸惑いながらも、座れる場所がないか探していたところだった…しかし俺が座ろうと思った場所はことごとく取られてしまう…


「はぁ…しょうがない…」


寝るつもりだったものの、座れる場所がないためスマホを取り出し、同じクラスの奴らと連絡を取る…


連絡を取っていると、後2駅で着くことに気づき、スマホをポケットに仕舞うことにした…しかし電車が急停止してしまったために体勢を崩し、つり革に捕まっていなかったため前に居た女性にぶつかってしまった…


つり革に捕まらなかった俺が悪いと思い、素直に謝ろうとすると…女性が悲鳴を上げ、俺のことを痴漢だと叫んだのだ…


周囲の男性は女性の悲鳴を聞き、俺のことを取り押さえてきた…電車が急停止していて周囲の老人や俺と同じ学生も、倒れているのも知っているのになんでだ…


「俺は痴漢じゃありません!!吊り革につかまっていなかったのは確かに申し訳ないと思います…がっ!!」


「喋ってんじゃねぇよ!!犯罪者がよ!!オマエのこと全国に晒すぞ?俺こういう卑劣な犯罪者を捕まえて動画にしてるんだわ」


「お願いですから話を聞いてくださいっ!!それと痛いです!!」


周囲の眼は俺に対して軽蔑している感じだ…俺はただ、もうそろそろ着くからスマホをポケットに仕舞おうとしていただけなのに…


「犯罪者はいつもそう言うんだよ!!」


俺に対してさらに体重をかけてくる…そして俺を取り押さえている一人である彼は更にこういった…


「決めた!!お前はネットにさらしてやんよ!!学生証はどこだ?さっさと出せよ!!」


そうすごく感じた…


「何をしているんだ!!俺のバックにさわるな!!」


俺のバックを勝手にあさり始めて、色々なものを物色していく…そして、学生証を取り出し写真に収めていく…


「これを上げたらどうなるんだろうな…就職はまぁ絶望的だわな!!」


「やめて…ください…それと俺は本当にやってません!!」


俺は泣きそうになりながらも必死に訴える…更に男は俺に体重をかけてきて、ニヤニヤ笑いながら俺にスマホの画面を見せてくる…


「もう遅いわ…お前の人生はこれで終わりだよ!!」


俺は体重をかけられ続けたせいか分からないが、変に頭が痛い…痛みがどんどん溢れてきて、耐えられない…!!


「痛い!!痛い!!助けて!!誰か助けて!!」


俺の声だけが電車の中に広がる…そして俺と同じ学生が口を開いた…


「最低だ…取り押さえられているだけだろう?それに警察も呼んでおいたからお前は退学しろ…こんな奴が先輩だなんて最悪だよ…本当…」


名前も知らない彼は俺のことを蔑んだ目で見てくる…もうつらいな…


俺はその後警察によって事情調査を行われた…その際も俺の話を全く信じていない様子で被害者のことだけを気にしていたようだ…


最寄りの警察署に連れて行かれ、そこでさらに事情聴取を受けた…そして、母親と父親がこの警察署にやってきた…


「この度は愚息が申し訳有りませんでした…被害者になんてお詫びすればいいか…」


警察と被害者に向かって謝るばかりで俺に対しては目も向けない…そして話し終わったのか俺に向かって歩いてくる…


パァン!!


俺の頬を平手打ちが襲った…俺はその場に倒れ込みながらも親父を見上げる…親父の眼は今まで見たこともないほど冷めきっていた…そしてこういった…


「お前にはがっかりしたよ…今までは優秀で性格も良くて素晴らしい子だと思ってたけど…どうやら間違いだったみたいだ…」


親父はそう言って外に向かってあるきだしてしまう…そして母親は俺を睨みつけながら親父の後を追って外に出てしまった…


俺は頭の痛みが強くなり、その場に倒れ込んでしまった…その場から動けなくなるほどの強い激痛…頭が割れるように痛み、視界が暗転する…


俺が次に目が覚めたのは自分の部屋の寝室だった…

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