第152話

「なっ…誰だ君は!!」


「俺が誰かなんていいでしょう?それよりも…あなたは生徒会の会計の人だと聞きました。ですが先程からあなたは怒鳴っているばかりのご様子…生徒会のメンバーがこんな方だとは思いませんでしたよ。」


「君もまるで理解していない。生徒会では資金面での様々な管理を教師側から一任されているんだ。正確にはある程度教師側にも伝えたりすることはあるけど、大抵は任されているんだ。君たちはこの意味がわからないのかい?」


「では俺も言わせてもらいますけど…彼の主張は部活などでの遠征費をある程度肩代わりしてほしいというものでしょう?意見を通したくないとしても上に意見を通すことくらいは不可能じゃないですよね?もしかして…それすらもできないと言うんですか?」


「なっ…私はこの事案を上に通すわけには行かないんだ!!」


「だから…どうして彼の意見を他の人に伝えないんですか?あなたは他人に意見を伝えることでさえためらうような人なのですか?」


「ああそうだよ。彼の意見は確かに普通の人から見れば通して当然ともとられる意見だろう…だがな、財源には限りがあることをしっかりと理解している私だからこそ言えることがある。遠征にかかる費用だって馬鹿にはならない。学校側からすれば成績を上げている部活だったら…となるかもしれないが、彼の所属している部活はそこまで優秀な成績を上げているわけでもない。ここまで言っても分かってくれないのか?」


「たしかに学校側としては自分たちの知名度を上げるために、優秀な成績を収めている部活にだったら喜んで投資するでしょうね…俺だってそうすると思います。ですが、そういった部活にだけそういう措置をするのはおかしいと思います。」


「はぁ…君こそ分かっていない。学校側なんて、結局のところ自分たちが最終的にうまくやっていければ何も文句は言わないんだよ。だから君も彼も結局のところ自分たちの意見を通すために、こうやって詰めてきてるんじゃないのかい?」


俺は生徒会の会計の人の話を聞いてどこか納得するところもあった。確かに今問い詰めているのは少しおかしいところもあるかもしれない…でも、それを含めたとしても話くらいはしても良いんじゃないかと思う。


「…じゃあ妥協点を探しましょうよ。あなたは遠征にかかる費用を負担するというのを、先生や他の生徒会のメンバーに言いたくないようですが、1度他のメンバーの方にも言ってみてはどうですか?」


「それをして何のメリットが有る。俺が損するだけじゃないか。」


俺は隣りにいる先輩に向かってなにか譲歩しても良いところがあるか尋ねた。


「先輩…何か譲歩できるところってありますか?この交渉がうまく行けば…先輩の要望は通ると思います。」
























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作品紹介

冤罪で家族全員から見捨てられた俺は…

https://kakuyomu.jp/works/16817330659841270825/episodes/16817330659843670300



時間がなくて内容が薄い!!って感じた方もいるかも知れません…すみません!!

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新作もよろしくお願いします!!

裏切られ絶望した少年の復讐譚

https://kakuyomu.jp/works/16817330664793177655/episodes/16817330664803455889



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