第6話への応援コメント
久里 琳さま、「不条理の里」へのご寄稿、ありがとうございました。実は作品の冒頭で「ロカイダル」が最初に登場した時、友未は「どうせ最後まで正体はわからないのだろう」と実にスレた読み方で入ってしまったために、その後の展開も、不条理ものの常道の域を出ないもののように映ってしまい、うまく入り込めずにいたのです。が、役者の揃い始めたここに来て、突然、そのやりとりの可笑しさにお腹の皮がよじれそうな発作に襲われました。何なんだ、このナンセンスな状況は!また第8話では「あああぼくは生まれてくる世をまちがえた」という台詞に大失笑させられた直後にとんでもない展開になってしまい愕然とさせられました。これは読めない!ラスト数行は本当に見事で、さすが久里 琳さまでした。
ただ、いくらか気になった点もお伝えしておかなければ。一つは、第7話冒頭からしばらくの間「~た。」の終止が20文連続で使われているなど、久里 琳さまの文章にしてはやや不用意に思える箇所があったこと、いま一つは、登場人物の導入が繰り返されていくに連れて、主人公がなぜそこまで一々つきあってしまうのかとどんどん不自然に思えてきてしまったことです。上手の手から水、かも…
作者からの返信
お越しいただき、ありがとうございます。
「里」シリーズでは毎回丁寧に読み込まれて、真剣に評価されているのを拝読していますので、是非この小説も、と思い参加させて頂きました。フィードバック、大変ありがたいです。
私も真剣に、思うところをお返事しなければ、と思います。以下、すこし長くなりますが・・・
ロカイダルの正体を突き止めるつもりのないことはバレていたのですね。これは目の肥えた方には子供だましだったかもしれませんね。。
可笑しい、大失笑、という反応を頂けたことはうれしいです。本人たちは大真面目だけど外から見れば滑稽・ナンセンス、というシーンを描きたかったので。
ラストが見事とのお言葉、光栄です。
畳みかけるように「た」を続けることで力強く美しい文にすることを目指しているのですが、それが鼻についてしまったということは、文章が未熟だったのだと反省します。(あるいは目指す道そのものがやはり王道に反し間違っているのかもしれませんが・・・)
こちらもわざと、主人公がことごとく間違った選択をすることで、読者が焦れ、いらいら・やきもきする効果を狙ったのですが、不自然さを感じさせてしまうようではいけませんね。ワンパターンに過ぎたせいかもしれません。
多くの気づきがありました。ありがとうございました!
第8話への応援コメント
この展開は全く想像できませんでした。というか先の読めないものにずっと翻弄され続けるのが快感になっていました。ラストで菊田の頭の中を駆けめぐるものが妙にリアルで、まるで救われたような気分になってしまうのが不思議です。色んな解釈のしようがあるけれど、出てくる人たちがみんな菊田の分身みたいにも思えて。流れるように読めるのにすごく濃くて、不条理劇の面白さを堪能しました!
作者からの返信
応援ありがとうございます!
翻弄され続ける快感とは、最高の誉め言葉をいただきました。不条理劇の面白さを幾分か提供できていたのであれば、うれしいです。
ラストでまるで救われたような気分、、そうですね。悪夢のような日常から解放されることを人はどこかで願っているのかも、たとえそれが死による解放であっても…と考えたりします。そのとき人の脳裡には、なにが思い浮かぶんでしょうね。
理不尽がキャパを超えると笑ってしまう、、とレビューで書かれているのは、そう思いますね。カフカは自作を仲間内で朗読するとき、くすくす笑っていたそうです。
深く読んでいただき、☆に、素晴らしいレビューまで寄せていただいて、ありがとうございました!
第8話への応援コメント
ずずずいっと一気に読んでしまいました。
ロカイダルって何?とずっと考えていました。人の、日常の中の鬱憤か何かを具現化したものかな、とか(笑)。
結局は男の妄言に過ぎなかったのかもしれませんが、ここに至るまでの、何でもないようで何かがあると思わせる、登場人物たちのやりとりが巧妙でめちゃくちゃ引き込まれました!
すべてはこの結果に繋がるための自然な流れだったのね、と納得させられるというか。もちろん大変な事態なんですが。
味わい深い作品でした。面白かったです♬
作者からの返信
応援ありがとうございます!
ロカイダル、なんだったんでしょうね。考えを巡らせてくださって、ありがとうございます。狙い通りです(^^)
レビューで書いてくださったように、非日常のはずの出来事が日常の一コマのように流れて行く、、そんなお話にしたいと思いながら書きました。ちょっとヘンな言動が自然に、流れるように展開されていく、というのを楽しんでいただけたらな、と。めちゃくちゃ引き込まれたとのお言葉、うれしいです。
☆に、素晴らしいレビューまで寄せていただき、ありがとうございました!
第8話への応援コメント
完結おめでとうございます。
「ロカイダル」最後まで何かは分かりませんでしたが問題はそこではないのですね。
ある事件をきっかけに「無敵な人」という言葉が生まれましたが、男と重なりました。
偶然、巻き込まれた人たち、ターゲットにされた人たち……不条理です。
「ロカイダル」は象徴だったのですね。それを生み出す社会、また社会の反応、
色々と考えさせられる作品でした。
菊田さんが最期に見たもの、聞いたもの、それが日常をよく表しているので
不条理がより浮き彫りになってますね。久里様、さすがです。
作者からの返信
応援ありがとうございます!
ロカイダル、結局なんだか分からないまま終わってしまいました、、が、仰る通り、そこは大きな問題ではないのでした。分からないことに振り回されるのが、不条理なリアルなような気がします。
「無敵な人」って言葉があるのですね。調べました。こんなのに巻き込まれたらそれこそ「なんで私にこんなことが…」ってなりますよね。不条理。
日常と不条理は、現実に隣り合っているのだと思います。
深い読みで最後までお付き合いいただいて、ありがとうございました!
編集済
第8話への応援コメント
結局、「ロカイダル」とはなんだったんでしょう。
終始、奇妙な居心地の悪さや理不尽さを感じながら読んでいて、しかし「理解できていない」「わかったつもりでいても実はずれている」「同じ側に立っていても見ているものが違う」など、こんなふうになにかが噛み合わないことから、とんでもない事象に発展した事件が現実でもあるよなあと思いました。
なにしろ、こんな小説を読んだのは初めてな気がします。ジャンルは現代ドラマになっていますが、(サイコ)ホラーとするのがいちばんハマるのではとちらっと思い、想像して、ホラーでないからこそ、この奇妙にリアルな据わりが悪い心地や、もぞもぞと少しずつ雁字搦めになっていくような怖さを感じたのかもという気がしました。
おもしろかったです……という言葉も、なんかズレている気がしますが(笑) 頭の中に異物を仕込まれたみたいに後を引く怪作でした!
作者からの返信
応援ありがとうございます!
奇妙な居心地の悪さ、奇妙にリアルで据わりが悪い、少しずつ雁字搦めになっていくような怖さ、、そんな風に読んでいただいて、うれしいです。
ロカイダルは謎のままに終わってしまいましたね。それも噛み合わなさの一要因になっていればいいなと思います。トラブルの根本原因がなにか分からないまま進み、終わるというのも悪夢のようなリアルなのかな、と。
頭の中に仕込まれた異物が、千弦さんの執筆生活のなかで何らかの働きをしだしたらおもしろいな、、なんて思いました。そんなホラーだったりして。。
☆もいただいて、ありがとうございました!
第8話への応援コメント
こうして思い直すと、刺した男は相手が誰でも良かったのかな。だけど、誰でも良かった割には誰にしようか迷い、詰まるところ「ロカイダルを殺した」と吹っ掛けてみたとか。色々と考察が深まる作品でしたね。
いつのまにか読み手にまで一緒に謎解きをさせる綴りっぷりに「らしさ」が溢れてました。面白かったです★★★
作者からの返信
応援ありがとうございます!
菊田以外の人が刺される未来もあったかもしれませんね。男がどこまで本気で菊田を犯人と信じていたのか、それとも誰でもよかったのか、、いろんな想像・謎解きを楽しんでいただければと思います。
「らしさ」が溢れるとのお言葉、うれしいです。☆もいただいて、ありがとうございました!
第8話への応援コメント
完結おめでとうございます!
菊田さんの視点では他の全員がひたすら不条理な存在に思えるんですが、他から見たら菊田さんも不条理なことをしているように映るのかもしれませんね。
人生の中で何が大切なのか当人にしか分からない価値や道理があって、他人には決して理解できない。『ロカイダル』なるものは、それを象徴しているように感じました。
いかにも理路整然として滔々と綴られる文章が心地よい一方、何をどう解決したらいいのかさっぱり分からないモゾモゾした独特の読み口で、それ自体が味わい深いです。すごい。こういう表現があるんだなと、鮮烈なインパクトを受けました。
すごく読み応えがありました。面白かったです!!
作者からの返信
応援ありがとうございます!
他から見たら菊田の行動も不条理、、はっとさせられる視点ですね。真実は一つではなく、誰から見ても絶対という真理もない、そしてそれぞれの信じる道理は他人の理解を超えたものである。。。深く読んでいただいて、うれしいです。
モゾモゾした独特の読み口! 光栄です(^^) また新たな表現へのチャレンジでしたが、味わっていただけたのであればうれしいです。
☆もいただいて、ありがとうございました!
第8話への応援コメント
えぇっ!何という結末。
結局、男が菊田さんに対して執拗に
「ぼくのロカイダルを殺したでしょう?」と迫り、最後までその一点張りでしたね。
老女やその息子さん、若い女も巻き込んで、何が何やら。
ロカイダルって何だったのでしょう?
菊田さん、わけのわからない男に耳を傾けず、さっさと会社に向かったら良かったのにって思いました。
菊田さん、薄らぐ意識の中で見た幻、それだけが救いのような気がしました。
でも、こんな理不尽なこと、世の中にはあるんですよね。
作者からの返信
応援ありがとうございます!
もやもやが解決しないままの結末になりました。ロカイダルがなんだったのか、だれが殺したのか、そもそもほんとにロカイダルはいたのか、、、いろいろ想像いただければ幸いです。
菊田は、この結末を回避する道が途中いくつもあったはずですよね。大事な判断を何度もまちがって、そのたび事態が悪化する、、そんな現実も世の中には転がっていますよね。
最後までお読みいただき、☆もいただいて、ありがとうございました!
第6話への応援コメント
ロクイドリだと、ヒクイドリと一字違いなのであんな感じの鳥なのかなあとか思っちゃいますね。でもそうだとしても世界一危険な鳥に似たものってことになるので、ほっと安心もできませんが(笑)
寝床に入ってきて丸くなって眠るというのは猫っぽいですね。でも冷たい舌?? うーん、蛇とか爬虫類系の可能性もありそうです。肉が好きというのも、もしもこのお話が現代ドラマでなくホラーだったら容易に怖ろしいオチが想像できます(笑) でも、そういうのでもなさそう。(¯―¯٥)ウーン
男と老女の話が噛み合っているようで噛み合ってない、でもなんか奇妙に意気投合してる感じが居心地悪くて最高(?)ですw
「???」をいっぱい溜めたまま続きをお待ちします!
作者からの返信
応援ありがとうございます!
ヒクイドリも連想してしまいますよね。鳥類、哺乳類、爬虫類、あるいはどこにも当てはまらない神獣だとか、、いったいロカイダルとは何者なのでしょう??
ホラー系に走るのもおもしろそうですが、さて、真相は・・・。
噛み合っているようで噛み合っていない彼らの会話、居心地悪くて最高とのお言葉、うれしいです(^^)
どんな結末になるのか、(あんまり期待のハードルを上げずに)お楽しみいただければと思います。
第4話への応援コメント
こんにちは。久里様。
幽霊も殺人犯も出てこないのにゾワってくるのはなんでだろうと思いながら
拝読していました。ロカイダルが全く分からないのと、謂れのない言いががり、
老婆の追い討ちがそうさせるんでしょうか。
日常生活に突如入りこんだ非日常。ああ、菊田さんのメンタルを思うと
いっそ痴漢だと濡れ衣着せられた方がましだわと無責任に思ってしまいました。
あと四話なんですね。もやるので早く続きをください。
作者からの返信
応援ありがとうございます!
ゾワっとこられましたか。作者としてはたいへん嬉しいご感想です!
謂れのない言いがかりを浴びせられ、主人公の望む方向からはどんどん離れていく展開に、彼のもやもや・いらいらはどんどん募っていきそうです。メンタルにまでご配慮いただき、ありがとうございます。
次回は明日掲載予定です。あとすこし、菊田といっしょにもやもやしてしまうかもしれませんが、ご容赦くださいませ。
さっそく☆もいただき、ありがとうございます!
第8話への応援コメント
まさに、タグに登録されている「不条理」を、拝読している間ずっと感じておりました。その不条理さが、この物語に漂うミステリアスな雰囲気を形作っていて、丹念に編まれた文学の世界を、じっくりと堪能させていただきました。
それにしても、あるとき突然に謎の因縁を吹っ掛けられて、さまざまな人を巻き込んで、果てはこんなことになるなんて……これもまた、タグの通り「どこか現実にありそうな」感じがして、肌が粟立ちました。不気味さの表現も素晴らしく、とても面白かったです!
作者からの返信
応援ありがとうございます!
不条理を堪能いただけたとのお言葉、うれしいです。現実にはあり得ない不条理もおもしろいですが、どこかで本当に起こるんじゃないかという不条理にはまた別のおもしろさ、それに恐さがあるのだと思います。そんな不気味さも含めてお楽しみいただけたのであれば幸いです。
☆もいただいて、ありがとうございました!