実在する海沿いの難所に、それはぶら下がっていた

実在する土地を題材にした怪談。
本当ににこんな怪異が、かの土地には存在するのでは……と思わされてしまうほどに、その描写はありありとこちらの手をつかんで、恐怖へと引きずり込んで来ます。
どんな怪異よりも人間の方が恐ろしいのなら、その人間の執着が数百年もぶら下がって寄り集まっているその有様は、生きた人間よりもはるかに恐ろしいのでしょう。

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