94話まで読んだ時点でのレビューになります。
一言でいえば、キャラが立っているキャラ文芸だと思います。とにかく各キャラの魅力がすごし。思考、哲学、矜持、色々なものを背負ったキャラが物語を彩っていく、なんとういか劇画を読んだような読了感が味わえる小説です。
そして、伏線もいい。ちゃんと伏線が回収されていく感じは、良質のミステリーを読んだ感じを味わえます。なんというか、読めば読むほど引き込まれていく感じのするスルメ小説であるのは間違いないです。
ただ、長編過ぎてとっつきが悪いという欠点は持っています。だから、せめて2章の終わり55話までは読んで欲しいです。物語の大きさというか、構成とかの大きさを実感できるのはこれくらいまで読んだ後なので……
堂々の完結!レビュー四回目で、序盤で1回目レビューした頃から比べて、もう大分キャラも成長して大きく変わりましたが、とりま序盤のレビューも残しつつ、完結まで読んだ感想を述べます。
最初の数話を読んで、正直なところちょっと分かりづらいな〜っと来て、もう数話で少しベタなのかな〜と思っていたところ、その先を読んで、いやいやとんでもない、とてもよく作られていて、とても面白い!笑
段々と面白くなっていく作品ほど、引き込まれていく度合いも強いです。
勇者は愛すべき正義の味方、ではなく、愚直な正義執行人の朴念仁…容赦ない言葉責めをくらわす聖剣…勇者サポーターのフリをした賢王は謎の人物…魔王はちょっとヤンキー思考だけれど意外とまとも…かつて仲間だった魔法使いは単なるバトルマニアで一番タチが悪い…他にも、みんなに嫌われているちょいクズ賢者ととにかく最高の刀使い仲間と応援したくなる魔人、プラス魔王の娘やクソ強い英雄とか、とにかく濃い〜キャラたちが目白押しです。
本当に多くの、魅力的な、決して安っぽくはない矜持を持ったキャラたちが登場します。
ストーリーを通じて世界に広がる壮大な悲しみの歴史と憎しみの連鎖…色々な立場の人間や魔族が交錯して、どうなるのか、どうすれば良かったか、などを考えさせられます。
これ以上言うとネタバレ必須ですのであまり言いませんが、よく練り込まれた世界観とキャラ設定で、一度先々まで読んでみることをお勧めします。
伏線回収、というか、ああ、ここでこうなるか!?という展開がマジで面白い。
長いストーリーですが、最後まで読んで、終わったら寂しい〜。是非ともスピンオフでちょっと続きを小出しにしてほしい!
後、長いストーリーお疲れ様でした!筆者様がこの物語にかけた情熱、しかと見届けました!