林檎
今日は林檎!
ガッシリしてるのにジューシーで、それでいてシャキシャキと良い歯ごたえで、さらに丁度良い具合に甘くて酸っぱくって。
火を通して柔らかくしたら甘みも増す不思議フルーツ。
そんなワタクシの大好物のリンゴたん、勿論我が牧場でも栽培しています!
どう料理して食べても美味しいリンゴたんは最高!
酸味の強い品種なら油っぽくてこってりした料理にも合うし、甘いやつならデザートにもできるし、万能食材なリンゴたん!
嗚呼、至福。
ホント、最高……ハァハァ。
……ハッ。
うぉっほん。
いかんいかん。
ヤバイ方向に飛んでしまうところだった。
気を取り直して。
この世界のリンゴたんは薬草扱い。
そして麦様同様、魔王の影響で進化する用になったのです!
実はこのリンゴたん、女人型モンスターに進化するのだ!
オンナノコキタコレ!
むさいモンスターばかりなだけに、これは嬉しい限りだね。
早速リンゴたんを一体進化させて、一緒に我が敷地内のリンゴ農園を紹介させよう。
お、これが良いかな。ちょうどいい具合に熟れてる。
良い子が出ますように。
リンゴを金色の光が暖かく包み込んでいく。
パァっと光り、ポンッと人型のシルエットが見えた。
進化完了!
さてさて、どんな可愛い子が出てきたのかな?
ウフフフ♪
ゴフー、コフー。
キシャアァァアアァァ!
イヤァァ!!
某軍の錬金術師兄弟のお母さんが!!
マスタードラゴン君、助けて!
パクッ!
ふぅ。
それにしても満足そうな顔してるね。
ほー、あんな形しててもリンゴの味するんだ。
流石リンゴたん。
さあ気を取り直して、今日は可愛いリンゴたんを紹介しよう。
—— リンゴの木 ——
目の前にありますのは、リンゴたんの木!
見事に成長して、実りに実ってます!
いやぁ、ここまで育てるのに苦労したよ。
リンゴたんは植えてから実が生るまでに十年ほど掛かるからね。
気の遠くなるほど時間が掛かるけど、それに見合った美味しい実が生るのは嬉しいもんだね。
リンゴたんは寒い地域がお好み。
我が牧場では、氷雪エリアに近い所を見繕ってリンゴ農園やってます。
え、誰が手入れしてるのかって?
もちろん、モンスターマスターの俺様にはお手伝いさんがいるさ!
テイム済みのオークさんに、平たいエリアに生い茂ってる樹木を伐採してもらって、耕して、リンゴたんの種をまいて、お世話させてるんだよ。
え、この間魔王倒したばかりなのにどうやって十年も掛かるリンゴ農園ができてるのかって?
そんなもの、簡単だよ。
こうやってさ。
むふふ、賢者さんに教えてもらったのさ。指定したモノの時間経過速度を一定時間加速させることができる魔法、便利だよ。
例えば、このリンゴたんの樹の時間経過速度を一日の間十倍加速させる、って具合に。
あ、でも時間を遡ることはできないよ。そういう魔法はあるらしいんだけどね。
賢者さん曰くそれは世界を破滅に追いやることが可能だから絶対にしちゃダメだって。だから教えられないって。
粘ったけど結局教えてくれなかった。
ちっ。
宝くじ当ててヒャッホイしたかったのに。
—— 栽培スケジュール ——
リンゴたんの栽培スケジュールは鬼畜。
とにかく一年中、何かしら仕事があるのだ。
こんな感じ:
冬の終わり~春にかけて:枝の剪定
春:接木、苗木作り、肥料散布
春~夏にかけて:受粉、摘花、摘果
夏:夏季管理、着色管理
秋:収穫、納品
冬:冬支度、事務的な作業
見た感じそんなひどく見えないけど、我が農園は500ヘクタール対等だからね。
目安として、日本全土のリンゴ農園合わせて300ヘクタール弱かな?
え、これ全部オークさんが一人でやってるのかって?
当然。
錬金術師君に疲労回復、体内貯蔵エネルギー変動耐性、そして
むしろ衣食住を提供してあげてることに感謝してほしいくらいだよ。
服もあげたし、食べ物も腐った、ゴフンゲフン、美味しいリンゴたんあげてるし、小屋、じゃなかった家も作ってあげたし。しかもお給料もあげてるし、殺さずにしておいてあげてるしね。
命を助けて、仕事を与えて、世界に美味しいリンゴたんを提供させてあげている。
やったぜ、社会的貢献度アップだぜ!
—— 収穫 ——
我が牧場では、一年で百万トン単位のリンゴたんが採れます!
オークさん万歳!
でも収穫って年に一度だから、天災なんかが直撃したら、億ゴールド単位の被害が。
オォウノォゥ!
そうならないようにオークさんに頑張ってもらってるんだけどね!
オークさん万々歳!
収穫したリンゴたんの大半はそのまま出荷する。でもリンゴたんはリンゴジュースとかリンゴのお菓子とか、色々なものに加工できるから、見栄えの良くないリンゴたんは手作業で加工してから出荷!
オークさん万々々歳!
え、錬金術師君になんか加工用の魔道具もらってないのかって?一応あるけど、あれビール造りに回してるから……
オークさん万々々々歳!
—— 終わりに ——
あ、オークさん倒れた。
あらら、服破れてら。
仕方がないなぁ。
オークさんガンバ!
俺っちはビール飲みながらマスタードラゴン君の背中に乗って上空から
異世界牧場~おかしな動物たち、見に来るかい?ちょうどツアーが始まるよ~ 湖畔の鮎 @kohan_no_namazu
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