愛情込めて育てた薬草がなぜか妖精化したんだけど。

第１話 新発見

　ヒールと出会って１年。一緒鬼住んでいて、ヒールについて色々なことがわかってきた。まず、食事は水と日光。睡眠は人間とあまり変わらない。性格はヒール草だけあって穏やかである。

「おはよう。ヒール」

『キュイ！』

「じゃあ、今日も」

　と言ってレオンはヒールと一緒に畑に出た。

「ヒール。今日もいっぱい食べてね」

『キュキュ！』

　ヒールは日光をたくさん浴びて吸収しながら、レオンが水やりしている水を飲んだ。

　はぁ、今日もかわいいなぁ。ついつい水をたくさんあげてしまう。こんなにあげすぎても大丈夫なのか？まぁ、ヒールが嬉しそうだからいいか。

「痛！」

　そんなことを考えながら草抜きをしていたら、摩擦でレオンは手を切ってしまった。

『キュ？』

　やっちゃったなぁ。これ結構痛いやつだ……

『キュ！』

「大丈夫だよ。しばらくしたら治るか、ら……？」

　ヒールがこちらへ寄ってきたと思ったら、傷を触り始めた。

「ヒール。汚いから触らないの！……え？」

　ヒールを引きはがすと、傷は綺麗に治っていた。

「なんで？」

『キュイキュイ！』

「もしかしてヒールが治してくれたのか？」

『キュイ！』

　ヒールにこんな力があったのか。新しい発見だ。まだまだヒールについてわからないことがありそうだな。

「ヒール。ありがとう！」

『キュイ！』

「さて、続きやりますか！」

　レオンは畑仕事に戻った。