第17話驚くべき事実

 初めて見るものが多いからか、色々な物に興味を示し家を走り回っている。



「可愛い……」



 これは親バカになっちまう。腹ごしらえということで、果実をカットして食べやすい大きさに切る。



 甘い匂いに釣られたのか、尻尾を大きく振って近づいてくる。試しに手を近づけてみると、果実をペロペロと舐め安全確認をしてから食べ始める。



 よほど美味しいのか激しく振っていた尻尾を更に激しく振っていく。



「落ち着けって、まだまだいっぱいあるからゆっくり食べろよ……」



 こっちの意思を感じとったのか、動きを落ち着かせ次の果実を待っている。お座りしている姿が何とも愛らしい。



 そういえば、狼って肉食じゃなかったっけ……。まぁ、美味しそうに食べてるからいいか。



 器に果実を取り分け、美味しそうに食べている姿を眺める。



「名前どうしよう……?」



 ふと思い出した。名前を考えるのはあんま得意じゃないんだけどな……。



 名前ってどうやって決めてたっけ……。種族名からとったりすればいいかな……? ってか種族って何なんだろ……。



【種族】マナガルム (テイム済)

【レベル】23

【固有スキル】狂喰



 マナガルムか~。マナガルム……!? 確か……神話か何かに出場してたような気が……。しかもいつの間にかテイムできてるし。この子、ヤバい狼だったの……!?



 先行きは不安だが、今はこんなに可愛いんだ。もしかしたら将来的には厳つくなるかもだけど、そんな息子をそれでも愛そう……。


 

 マナガルムか……。ちょっと安直かもだけど、可愛い名前だしこれに決めるか。



「今日からお前は……マナだ!!」



 そう言うと、食べ終わったばかりのベタベタになった口で顔を舐められる。くすぐったいけど、やっぱり可愛い……。



 とりあえず顔を洗う。もう一回レベル上げ行くか……。そうなるとマナをどうしよう。可愛いから戦わせたくないけど、行きたそうな顔してるし……。モンスターとして強くしてあげたいし……。



「マナ、お前も一緒に行くか!!」



 連れていくことにしました。置いていって何かあっても困るし、本人も行きたそうだからね。



 あと5レベルで10連引けるし、マナのためにも少しレベルの低い相手を探すか。



 外に出て来るとマナもしっかり警戒しながら俺に着いてくる。こういうところはやっぱりモンスターだよな。



 ちょうどいい魔物がいました。



【種族】サンダウス

【レベル】35

【固有スキル】サンダーフィールド



 ビリビリしているネズミだ……。これだけ聞いたら、ピ○○ュウだな……。少しレベルが上だが、危なかったら手を貸してやればいいしな。



「マナ、頑張ってこいよ!」



 自信満々な顔をして頷き、相手に近づいていく。大丈夫かな……今さら心配になってきた。






 




 





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

異世界いってもガチャを引く~神引きしすぎて気付いたら最強になってた~ (仮) チャリ鍵 @tyarikagi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ