第4話 疑念

「…」

一同まさかと思いつつ辻褄が合う理論はこれしかないと考えた。

「か、カードを盗んで開けたとかじゃないですか?」

「そ、そうよ!きっとそうに違いないわ」

「くそっ。俺がずっと見張っておけばこんな事にはならなかったのに…」

ライは申し訳なさと後悔で頭がいっぱいになった。

「後悔しても仕方がないわ。今は犯人を探しましょう。」

「そうするか…」

「皆さん!カードを持っているか確認しましょうー!盗んだ時間帯は絞れるはずですー!」

と賢者は提案した。

「いいですね!」

と少女は同意した。

そして皆はカードがあるか確認した。

「俺はある」

「私もありますわ」

「ありますー!」

「ありました!」

皆が歓喜の声をあげるなか1人の男が気づく。

全員鍵を持っているということは、勇者

パーティーの中に殺人鬼が居るという最も危惧

していた説が濃厚になったという事だと。


(もしこの中に殺人鬼が居るとしたら…)

「私は皆さんのこと信じていますから!ですから皆さんも仲間の事を信じてください!」

少女の声でライは疑うことを止めた。

「王様をこのままにしておくのは嫌ですから、一旦エリックさんを呼んできますわ」

他の皆は彼女を見送った。




勇者達はエリックに王が殺された事などを伝えた。一瞬驚いた表情を見せたが、直ぐに冷静さを取り戻した。そしてこう言った。

「皆さんの部屋はそのカードでしか開けられませんよ?」

「は?」「えっ?」「嘘でしょ!?」「え?」

「って事は本当に…」

「俺は信じねーぞ」

「私も信じませんわ」

「僕も信じません」

少女の意見を退ける為に、仲間を疑わない為に、皆は言葉を被せた。

そこで、勇者一行を落ち着ける為、老人は冷静に言った。

「寝不足で議論しても意味がありません。夜が明けるのを待ちましょう。今焦っても意味がありませんよ」

その意見に皆賛同し、自室で眠ることにした。

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勇者パーティーの中に殺人鬼がいるらしい しゅーくりーむ @syu-kuri-mu

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