8.今はまだ、姉弟の添い寝
//声、正面から
「それじゃあ、今日も添い寝、よろしくね」
「……あ、変なことしたら、めっ! だからね?」
「今日まではまだ私たち、普通の姉弟なんだから。昨日、言ったでしょ?」
「うん。わかればよろしい」
「明日からは……そこはまあ、弟くん次第ということで」
「じゃあ、弟くんのお隣、失礼しまーす」
//SE:ベッドに潜り込む音
//声、正面から
「弟くんがいるおかげで、今日も明日もあったかく眠れそうだ」
「ただのお姉ちゃんだったら、あんまり一緒に眠りたいって言うの、照れちゃうから……そこは、ちょっとだけお得かも」
「まあ、まさか弟くんとこんな関係になるとは、思ってもみなかったわけだけど」
「私より年上になったのに、私にお姉ちゃんのままでいて欲しいだなんて……弟くんはやっぱり、結構なわがままさんだよねえ」
「でも、そんな弟くんだから、私に会いに来てくれたんだ」
「ねえ、ぎゅってしていい?」
「普通の……おやすみなさいのハグ。あと、感謝のハグとか……色々」
「とにかく、姉弟のハグです。お姉ちゃんが弟くんにハグするのに、なにもおかしなことはありません。ほら、腕、早く。広げて?」
//SE:服が擦れる音
//声、左側から、至近距離に
「ん……弟くん、体温あったかいよね。優秀な抱き枕だ。すぐに眠れちゃいそう」
「そういえばさ、今日、起きたときに気づいたことがあるの」
「一緒のおふとんで寝るとね……起きたときに弟くんの顔をすぐに見れるから、すっごく嬉しいの」
「いや、嬉しいというよりは、安心するって感じなのかな……どっちも一緒か」
「横に並んで、一緒に寝て……そういうのが、私達の普通だったから」
「お姉ちゃんのことが大好きな弟くんも、一緒にいられてうれしいよね?」
「よしよし」
//SE:頭を撫でる音
「今日は、このままで寝させてもらうね」
「起きたときに離れてたら、お姉ちゃん、拗ねちゃうから。そこのところ、気を付けるように」
「それじゃあ……今日もおやすみなさい、弟くん」
「また明日、ね?」
10年間氷漬けになっていたお姉ちゃんは、あなたから離れられない 大宮コウ @hane007
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