最終話

数日後、オレたちが投宿してる宿に国王からの遣いがやってきた。


ゴンスケ制御用の首輪を持ってきたのだ。


「おお、これが……!」


「そうじゃ。これがあればゴンスケを意のままに操れるようになる。但し、一度付けると外す事が出来なくなるが……。まあ、問題ないだろう」


「はい、ありがとうございます!」


オレは魔導通信で感謝の意を述べた。


「それと、もう一つオマケの機能を付けた」


オマケの機能?


「まあ、付けてからのお楽しみじゃ」


ともあれ、制御用首輪をゴンスケに装着した。


ゴンスケは辺りをキョロキョロ見渡し始めた、そして…「私は今まで何という事をしてしまってたんだ!」なんと、人語を発し慟哭したのだ。


オマケ機能は人語での発話機能だったのだ。

また、ある程度の性格改善も為されているようだ。


「デヴィマン殿、リリ殿、マリー殿…今まで己の獣性と嗜好の赴くままの傍若無人、大変申し訳無い…。いくら贖罪しても足りないだろうが、魔族討伐をすることでそれを示すことにしよう」


こうして、ゴンスケは改心した。


国王の遣いはそれを見届けて帰途についた。


「やったな!マリー、これで一安心だ!」


「ええ、本当に良かったわ!」


こうして、オレ達の旅はまだ続く。




オレ達はゴンスケを連れて街を出た。


ゴンスケはすっかり大人しくなっており、通行人に危害を加える様子は無い。


「ゴンスケ、今日は何処に向かう?」


「ああ、魔族討伐もあるがとりあえずは気ままに旅を楽しもうと思っている」


ゴンスケはすっかり人当たりが良くなっている。


しかし、人肉を食らうのは相変わらずだが…それでも行き倒れた旅人の遺体を食べるのみに留めている。


彼曰く『供養』なのだそうだ。


オレ達は馬車に乗り、次の街を目指した。




終わり。

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ぼくたちとヒグマのゴンスケ 芥子川(けしかわ) @djsouchou

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