第6話

その後、マリーはすぐに目を覚ました。


彼女はゴンスケに詰め寄ったが、ゴンスケは「何言ってるか分からない」と言った表情をしていた。


彼女は落胆し、また部屋に引きこもってしまった。


彼女の気持ちは痛いほど分かる。


それに行く先々でゴンスケに食人されては魔族討伐どころの話じゃない。


限界だ…。


オレは、もう一度魔導通信で国王にゴンスケについて相談した。


国王は「うーむ……。デヴィマンの言う通り、ゴンスケの食性についてはどうにかせんといかんのぅ……。仕方ない、ゴンスケを手懐けるアイテムを開発するまで少し待っておれ。完成次第、すぐに知らせよう」と言ってくれた。


良かった。国王に相談して。


オレはひとまず安心し、宿へと戻った。


宿に帰る途中、ゴンスケが旅人に襲い掛かり貪り食っていた。


もう少し…もう少しの辛抱…。


オレはそう自分に言い聞かせ、旅人を食い終えたゴンスケを連れ帰った。


宿に戻り、オレはマリーの部屋にリリと共に入った。


そして、国王がゴンスケの制御アイテムの開発に着手する事を伝えた。


二人は安堵の表情を浮かべていた。



その日の夜は久しぶりによく眠れた。

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