第三話 イケメンと僕のキッカケ
入学してから一週間が経った。流石の僕でも一週間も経てば友達の一人や二人出来て、、、なかった。
なんでだろう。今日から頑張ろう。そう、今日から頑張るのだ。
一週間も経てば授業は本格的に始まってくる。
(今日の1限目は体育だなぁ。)
友達がいない僕にとってはこんなに怖い授業はない。なぜかって??
今日はペアでバドミントンだからだ。
(はいじゃあ、ペアを作ってラリーをしろよー)
この言葉は今の僕にとっては聞きたくない言葉No.1だな。
(先生とやることになるなこれ)
そう思っていた時に何故かクラスのイケメン陽キャ葉山大樹が近づいてきた。
「おーい!黒田!俺とペアになってくれね〜!」
おいまじか、なんでクラスで目立ってもない僕とペアになろうと思うんだ。だがこれは僕にとっても絶好のチャンス。先生とペアになって悪目立ちすることはなくなる。
「僕でいいならよろしくね。」
「おう!よろしくな!」
ラリーを始めてから僕は疑問に思っていたことを聞いてみた。
「葉山くん。」
「なんだー?」
「なんで僕とペアになってくれたの?」
「なんか、俺と黒田って気が合う気がしたんだよ。」
なんでそんなこと思ったんだろう?
「どーして?」
「だって黒田って努力家だろ?自己紹介の時になにもないって言ってた割には、朝早く来て課題プリントやってたり、その上先生の手伝いだってやってるしな。」
そんな所を、僕を、見てくれていたのか。
だけど、
「そんなことは努力とは言わないよ。」
「じゃあ聞くけど、黒田ってスポーツやってる?」
「やってない」
「じゃあなんでそんなに腕と足ガッチリしてるんだ?」
「、、、男として筋肉あったほうがいいかなって」
「俺はスポーツやってるからわかるけど筋トレの効果はすぐ出るもんじゃないし、続け無けりゃ意味ない。そうやって見えないところでも努力してるところだ。」
そうやって人のことをよく見ている君は凄い人だ。
だが、彼は自分のことを凄い人間だと思っていないのだろう。十分凄いのにな。
「俺は努力家が好きだ。努力しても結果が出るまでは日が当たらない所で我慢しなけりゃいけない。そこで諦めてしまう人だってたくさんいる。
努力家ってのは耐えて耐えて強くなった人のことだ。俺はそんな人を尊敬している。だから黒田と友だちになりたいと思った。これじゃ駄目か?」
「、、、悠でいいよ。大樹。」
「ハハハ!じゃあよろしくな!悠!!」
このイケメン陽キャとは長い付き合いになりそうだな。
きみという君(ひと) 夜咲 @gamogame
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