文化博物館「紫式部と『源氏物語』」展行ってきました!

 心身の低長期から少しずつ回復中で、ようやくX(旧Twitter)のポストなんかも眺められるようになりました。


 すると、京都在住の平安クラスタの方のポストに「京都文化博物館の源氏物語関連の展示を見に行きました」というものを発見。


 鷲生は「あれ? この時期の文化博物館はコスチュームジュエリーか何かの展示やってたんとちごたっけ?」と思いましたが。

 このコスチュームジュエリー関連は特別展で、源氏物語に関する展示は総合展示なのだそうです(※1)。


「これは行かねば!」と、行ってまいりました。


*****


 入口の手前に、平安時代の貴族男性の人形展示がありました。

 これについては写真撮影可でしたので、襟元などの写真を取ってきました(※2)。


 残念ながら内部の撮影は禁止なので、せっせとメモして帰りました。


 「源氏物語と音楽」というコーナーでは、当時の楽器が展示されていました。

 京都御所でも見たことがありますが、今回は「龍笛」が「けっこう太くてごつい」という感想を持ちましたw


 その前の時代には楽舞は雅楽寮が演じるものでしたが、この時代には貴族自ら、舞を伴わない楽器だけの演奏を楽しむ管弦と呼ばれる形式が成立したのだという解説文がありました。

 

 日本古来の和琴は六弦。ガラス越しですが、私が両手を広げたくらいの長さだと目測しましたw

 人間の身体は両手を広げた長さと身長が同じくらいだと聞いたことがあります。

 すると、この和琴は166センチくらいということになるようです。

(↑今、この文章を書くのにwikiで「和琴」の項目を見ていると、193センチとあります。鷲生の目測はあてにならないかもしれませんw)


 鷲生の母が若い頃にお琴を習っていたそうで、叔母の家で見せてもらったことがあります。また、鷲生の高校には筝曲部がありました。これらの現代にも伝わる琴(筝)は十三弦ですから、音色も違うのでしょうね。


 鷲生にとって特に興味深かったのが東三条殿の復元模型です。

 鷲生は今平安ファンタジーを書いているので、頭の中でその登場人物たちをその模型の中で歩き回らせながら見ておりました。

(ガラスケースの三方を歩けるので、ウロウロしてましたw)

 

 この模型。昭和40年に東工大の研究室が作成したものだとか。

 鷲生は関西の割と規模の大きい総合大学に通って、日本史を専攻していましたが、「続日本紀」や「延喜式」などの史料本は、文学部図書館だけでなく、工学部の図書室にも揃っていました。

 こういう建築史を専門にしている人もいるからなんでしょうね。

 

 江戸時代の写本ですが、藤原行成の日記『権記』、藤原実資の日記『小右記』もありました。


『権記』では紫式部の夫となる藤原宣孝について、「舞人の長として(絶)妙だった」とか、「(仕事を)痔で断った」とか書かれていました。

 見開きの展示に、博物館が「ここですよ」と矢印で示して下さっています。確かに筆書きで「宣孝舞人長妙」「宣孝朝又申痔病」という文字がありました(ちょっと鷲生のメモの字が汚くて写し間違いがあるかもしれせん)。

 1000年後まで痔主だと晒されるのはかわいそうですねw 

「光る君へ」では佐々木蔵之介さんが演じてらっしゃるのにw


『小右記』は、「光る君へ」でロバート秋山さんが演じてらっしゃる実資の日記。

 道長の「この世をば……」の和歌についてのエピソードも、この小右記に伝わるものです。

 今回の展示もばっちり、この和歌のページが展示されてました。


*****


 今回の企画展、全体にやはり後代の写本とか、絵とかが大半です。

 平安時代のモノというのは、いかに京都が古都とはいえおいそれとは残っていないので仕方ないですね……。

 

 ただ、後世に「源氏物語」がどう受容されていったかは、それはそれで

 興味深いものではありました。


 個人的に印象に残ったのは、雅な王朝人の姿を描いた屏風です。

 作成されたのは昭和24年。

 終戦間もない混乱期。京都にはほぼ空襲が無かったとはいえ、日本の主要都市が焼け野原になって間もない頃。

 そんな時代にこういう絵を描く……どういう経緯で作成されることになったのか。どんな雰囲気で作成していたのか……。


*****


 また、鷲生も鷲生で展示品の周りをうろうろしたり、メモを取ったりしていたわけですが。

 鷲生もあちこちのミュージアムに行きますが、鷲生みたいなアグレッシブなwお客さんに出会うことはまずありません。

 ところが。

 今回の「紫式部と『源氏物語』」展では、鷲生同様の動きをするお客さんがいらっしゃいましたw


 先に、入り口前の人形は撮影可だったと書きましたが。

 明らかに記念撮影とは異なる写真の撮り方をしている、鷲生よりちょっと若い女性がらっしゃいました。

 人形をいろんな角度から舐め回すようにスマホを構えていらっしゃるのです。

 何にお使いなのかわかりませんが、絶対、あれは何かの資料として使う気だと分かる本気ぶりでしたw


 また、展示室では鷲生同様せっせとメモを取る方も。

 熱心な方が多かったように思います。


あ、ここで鷲生が熱心にw取材して書いた平安ファンタジー小説の宣伝をさせてくださいませ。

 ↓

「錦濤宮物語 女武人ノ宮仕ヘ或ハ近衛大将ノ大詐術」

https://kakuyomu.jp/works/16816927860647624393

政争あり、身分差の恋あり、剣戟あり。

大河ドラマ「光る君へ」がお好きな方にはお楽しみいただけるかと……。


*****


 ちなみに。

 平安時代のものはなかなか残っていないと書きましたが、道長の日記『御堂関白記』は現存しています。


 大河ドラマで平安時代を取り上げるなんて誰も思っていなかった頃に、やはりこの京都文化博物館で展示されていたことがあり、当日記にもその時の話を綴っております。

 ↓

「私は「御堂関白記」が見たいんだってば!」https://kakuyomu.jp/works/16817330661485429107/episodes/16817330668017123263


*****


 ※1 京都文化博物館「紫式部と『源氏物語』」展

 https://www.bunpaku.or.jp/exhi_sogo_post/20240210-0407/


 ※2 この人形の写真をX(旧Twitter)に投稿しています。

 https://twitter.com/washu72802210/status/1766425276832227678


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