第2話刃傷!松の廊下

1人の老人が松の廊下を歩いていると、その老人を呼ぶ者がいた。

「吉良殿、吉良殿、お待ちくだされ」 

老人の名は、吉良上野介きらこうずけのすけ

呼び止めたのは、浅野内匠頭あさのたくみのかみ

「何じゃ?浅野殿」

「御勅使、ご到着のおり、我々、接待役は敷台の上で待つべきでございましょうか?はたまた、敷台の下で待つべきでございましょうか?」  

浅野は吉良に教えを乞うた。

「浅野殿も、お人が悪い。その様な事、みどもに聞かずとも、先刻ご承知のはず」

「何とぞ、お教え願いたい」

「浅野殿、お主いくつじゃ?」

「三十六でございます」

「嫁はおらぬのか?」

「まだ、嫁は参上しておりませぬ」

「嫁が参上するものか!馬鹿者」

「そこを何とぞ」

「お主、いかりや長介も2度も結婚したわ、あの高木ブーさえも女房がいるわ。何故、お主に女房が居ないか分かるか?」 

「分かりませぬ」

「お主が、馬鹿だからじゃ」

浅野は刀の柄を握った。

「おっ、浅野殿。松の廊下で刀を抜くとどうなるかご承知のはず。お主は即日切腹、お家は断絶。お主に、刀を抜く勇気があるのか?」

「私の悪口は良い。いかりや長介もまだ、良い。しかし、高木ブーより劣るだとぉ〜」

浅野は刀を抜いた!

「皆のもの、出合え出合え、殿中でござる」

1人の侍が何事も無く歩いていく。

「待て、待て、殿中だぞっ!」

「黙れ!吉良!覚悟!」

「待て、今、一番良いシーンなんだから」

「殿中でござる、殿中でござる」

また、1人の侍が歩き去る。

「な、何で?忠臣蔵だよな〜」

グサッ!

「ヌォッ!」

浅野は吉良のチンコに刀を刺した。

吉良は倒れた。

「歴史が変わってしまったわ」

ガクッ。

「雉も鳴かずば撃たれまい」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

飛んでも時代劇 羽弦トリス @September-0919

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ