題名にある通りに『忍者』が主人公です。
昨今、忍者といえば国内にはとどまらずに海外でも人気のコンテンツ(というかジョブ?)ですが、このように思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。
──いや忍者なのに全然忍んでないじゃないか、と。
最近の忍者と言えば、ジャパニーズカラテを駆使してヴィラン(敵役)を倒し、まるでパルクールじみたアクロバティックを披露する。なんというかショービズのヒーローのようなイメージ。果たして本当にそれが『忍者』なのでしょうか?
この作品では違います。
確かに一騎当千な活躍を見せはしますが、それは全て隠密でのこと。
仕えるべき主君のために、表舞台ではない所で無双するのです。
主君の立身出世のために暗躍する主人公。
そういった一風変わった視点からの無双劇を楽しみたい方にはぜひ。
オススメです。
新巻へもんさまの異世界作品にハズレはない!!(声を大にして最初に書いておきます)
書籍化された作品『酔っぱらい盗賊、奴隷の少女を買う』を最初に読んだとき、その面白さに目が点になりました。
おじさんと幼い少女の関係を描かれ、とても読み応えがありました。作品全体にほのかに漂うエロぽい色気。なんともいえないんです。
今作では──
少女ではなく少年忍者が主人公。そして、少年が常に影から助けるのは、大人のかっこいい女性(おばさんじゃない:ここは強調しておく点)。
形は違えど、著者さまの得意分野でカクコン9、勝負にこられたなと読みながら思ったものです。
もう面白くないわけがない。
さて、主人公の天才忍者、風魔小六。
彼は戦場から異世界に光に導かれて転移します。そこは中世ヨーロッパ風の世界。城塞都市ザルツも、やはり血生臭い世界。
そこで知ったのが、『赤き髪の姫騎士』シャール・ド・エッサリアです。
すったもんだの、あれや、これやの、すっごい成り行きから(この辺りは本作をお読みください)。
天才忍者は、その能力を表に出さず、影でシャールを助けていきます。それが、なんというか無双!
さすが、日本の忍者(と謎の愛国心を持つわたし)
どうぞお読みください。おすすめです!
忍者といえば、この作品で、わたしの好きな場面があります。
中途部分で『変わり身の術』が効果的に出てくるのです。え? 変わり身の術をご存じない? あの、丸太になる術です。この先も本編でお読みください。