文化祭準備

ミンイチ

第1話

〜〜〜♪


 学校の下駄箱横の電子掲示板から何かの映画のCMでも使われていた音楽が流れる。


 そこには文化祭のPVが流れている。


 陸上部がクラウチングスタートの直前の様子を前から撮った映像もあれば、各学年・各クラスの文化祭準備の様子が撮られたものもある。


 そのどれもが夏休みに撮られたもので僕ら放送部が作成したものだ。


 夏休み前半、全員必修の午前中だけの補習を終わらせて午後から文化祭の準備を進めていた。


 僕たちが通っている学校では1年が映像作品、2年が演劇、そして3年がダンスステージをする。


 僕は2年生で僕たちのクラスは『嘘屋』を元にしたものをするつもりだ


 しかし、僕たちのクラスはいまだに脚本が完成していなかった。


 他のクラスは脚本を完成させて道具の作成に移っているのに、だ。


 そして何もクラスの活動ができない中、放送部としての活動が行われていった。


 総合文化祭のための映像を作ったり、2年ぶりの文化祭のためのPVに使う映像を撮ったり。


 校門からグラウンドまで走る様子や特に意味もなくよくわからない走り方をする様子を撮ったり、撮るために伴走しているやつを突き放そうと全力で走ってみたり。


 セミの映像を撮ろうとしたけれど、セミが見つからなかったり。


 そうしているうちに五山の送り火の数日前まで日は進み、やっとクラス用の脚本が完成した。


 それまでに何回か学校に行って大道具・小道具を作っていたが、キャストの練習ができていなさすぎる。


 キャストの練習と道具の作成、そして放送部として映像の補充を進めていって夏休み最終日になった。


 ほとんどの宿題を最後の1週間で終わらせたが、そのせいで寝不足になってしまった。


 次の日は課題テストがあった。


 結果は言うまでもなく………




 そのあとは一気に進んでいった。


 映像班はPVを完成させて、クラスでは道具を完成させて。


 最初、規定時間を大幅に超えていたものが、劇を進めながら道具の搬入・搬出を行ったことで本当にギリギリまでいった。


 本番は明日。


 今までの努力が結ばれる時だ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

文化祭準備 ミンイチ @DoTK

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ