クソニートでも異世界へ行けば世界最強?

みたらし

第1話クソニートが異世界へ

 俺の名前は小林亮真、32歳、クソニートだ。

 俺は小学校の頃からずっとデブだったからか、いじめられてきた。だが、そんな俺を唯一救ってくれたのが魔法とファンタジーの世界だ。そんな世界に憧れてきたが、現実の世界はそんな憧れの世界とは程遠い残酷な世界だ。だから、俺は1日中大好きなアニメを見て憧れに浸っている。

 そんな、いつもと変わりのないある日の夜、俺はいつも通り寝た。目の前は真っ暗だったはずなのに、あたり一面が真っ白になった。そこには神と名乗る、真っ白で長い髭と髪を生やした老人が立っていた。

「お前が小林亮真だな。」

俺は困惑していて声が出なかった。そうしていると、神と名乗る老人は、

「異世界へ行って最高のセカンドライフを送ってこい。そして、またいつの日か会おう。」そう言って、どこかへ消えた。するとあたりはまた暗くなり、目を覚ますとそこは小さな村に住む夫婦の家だった。

 「おぎゃー、おぎゃー」と赤ちゃんの鳴き声が周りの人たちに生まれたことを知らせているかのように響き渡った。

「パブロ、ルートが生まれたわ。」

「あぁー、エリーゼよく頑張った。」

俺はルートという名の男の子として産まれたらしい。父の名はパブロ、母はエリーゼというらしい。

 母さんは俺を泣き止ませるために乳を飲ませた。俺はすんなりと寝てしまった。

 月日が経ち、俺は最高の両親に育てられて6歳になった。

そういえば、6歳になるとこの世界では魔法を使うためにある儀式を行って神から力をもらうらしい。そして、今日はその儀式を行うために村から離れた町にある教会に行くことになった。もしかしたら、また、あの時の神に会えるかもと考えながら教会へ父さんと向かった。

 教会に着くと俺はすぐに儀式を始めた。するとあたりは真っ白になり予想通り、あの時の神が現れた。

「小僧またあったな。今日はお前にこの異世界で最高のセカンドライフを過ごすためにわしから最強のプレゼントをやろう。」と神は言って、また消えた。

 俺は儀式が終わったあとの帰宅の道中で神から授かった力とやらを確認するためステータスを開くと、人間とは思えない、というか魔王をも超えるであろう能力だった。

体術(極)、無限魔力、全属性の魔法が使えるという人間卒業の3点セットをもらってしまった。だが、この世界で最高のセカンドライフを、送るにはこのくらい必要なのかもしれない。

 家に着くと俺は王都にある魔法学園に行くと決めた。行く理由は簡単だ、そこで頂点に立ち、最高の仲間と地位を手にするためだ。だか、俺の家には学園に通うお金がない、それに10歳にならないと学園への入学は許されないのだ。だから俺は10歳までに勉強に魔法と体術をさらに極めることにした。

 今日で10歳になった、父と母から誕生日プレゼントをもらった。父からは剣、母からは杖をもらった。

「ルート!お前は俺とお母さんの子供だから必ず王都の学園でもうまくやっていける。何かあったらその時は俺達を頼ってくれ」

「そうよルート、お母さんたちはあなたのことを愛してるからね。王都でもルートらしく頑張って。」

 前世からは考えられない程に暖かい言葉をかけられた俺は泣きそうだったが、我慢して笑顔で両親に今までの感謝を伝えた。

 「父さん、母さん10年間俺をここまで育ててくれてありがとう。俺は王都の学園に行ったら必ず頂点まで登って最高の友達を連れて帰るね!」

 次の日の朝、今日は王都の学園へ試験を受ける日だ。俺は村にあるボロボロの馬車で王都へ向かう。

 「父さん母さん行ってくるね!」俺はそう言って王都へ向かった。そして俺の最高のセカンドライフはこれから始まるのかもしれない。



 

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クソニートでも異世界へ行けば世界最強? みたらし @Katsuki_0710

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