地球防衛軍な、新社会人バトル!「君、だれ?」「ふ…」いけ!地球が終わる前に?

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 地球を救えない会社なんか、やめれば良いさ。新社会人パワーを、見せてやれ!

「がんばれません」

「そんなの、聞いてません」

「残業?パワハラです」

「パワハラです」

「知らない人に怒られるとか

って、おかしくね?」

「もう、疲れちゃった」

「入社した会社、やめたい」

そんな新社会人に、楽しいニュース!

新社会人同士が接触すると、SF的次元が変化。

異次元の扉が開かれ、地球防衛隊が出動するようになるという。

タクシー会社に入社した新社会人が、夜中に車を走らせていると…?

「すみません!乗せて!」

「…ちょ、え?俺の車に?」

キター!

夜道で、男性に車を停められたぞ。

「俺、営業帰りの新社会人なんですけど」

「…あ、自分もです」

「え、え?同じ世代っすか?友だちだ!」

ピンチ。

「タクシー運転手さん、ですよね?」

おっと。

つい、社用車を運転していたらしい。

「助けてよ、運転手さん!!地球が、終わってしまう!」

「…」

「俺たち、同世代!友だち!がんばってきた他の世代から金も仕事もうばいとって感謝もしない、弱い立場の新社会人だよね」

「…」

「北に、向かってください!」

「…はいはい」

2人の新社会人を乗せた車が、猛スピードで北上し、信号でストップ。

夜道を歩いていた人にとっては、迷惑だろう。

で、新事件。

夜道に立つ別の男性が、声をかけてきた。

「俺も、乗せてくれ!地球が終わってしまう前に、この人と同じ場所にいってくれ!」

「運転手さん?俺たち、新社会人。またの名を、地球防衛隊。日本の、将来の爆弾っすよね?」

マジで、友だちにされている。

地球は守っても、会社は守らない人たちの旅が続く。

30分ほどで、指示された場所に到着。

「やったぜ!」

「間に合った!」

勝手に乗り込んできた男性たちが、勝手に車から降りていく。

授業中でも、仕事中でも、勝手にトイレにいくのに似ている。

目の前には、「地球」という名の店が建っていた。

「地球(という名の店)が終わる(閉店する)前に、買い物にいかないとならない」

そういう意味、だったのか?

涙、涙。

「地球」の扉は、「異次元の扉」。

後日、タクシーを運転していた新社会人の男性が働く会社に、地球儀が贈られてきた。

地球を救えた、お礼なのか?

正直、うれしくない。

新社会人と付き合うっていうのは、こんな感じですよ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

地球防衛軍な、新社会人バトル!「君、だれ?」「ふ…」いけ!地球が終わる前に? 冒険者たちのぽかぽか酒場 @6935

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ