最終話 竜人王と呼ばれた男
こうして、屋上でベルドレットとイブニクル王の会談が始まった。真ん中に俺を添えて。
「では、本当に今回は我が国を襲いに来たわけではなく。物資などの交易などを行いたいた為に友好関係を結びに来たと?」
俺は人族語を竜族語に変えてベルドレッドに伝える。
「あーし手紙にしっかり書いてたんだけど! 誰もあーしの手紙読めなかったってわけ?」
俺はベルドレッドの言葉を少し変換してからイブニクル王へと伝えた。
「うーーむ、恐らくこちらの不手際だったに違いない。敵意が無いのであれば是非、友好関係を築きたい。我々も無駄な戦いは避けたいからな」
「なら、決定! じゃあ握手しよっか!」
ベルドレッドはイブニクル王へと歩み寄り、右手を差し出す。
「握手だそうです」
俺がイブニクル王に伝えると、気が付いたかのように握手をした。
今日をもって、イブニクル王国とベルドレットとの友好関係が結ばれた歴史的瞬間となった。
「では、あーしらはいったん帰るから今度物資のの交易の件について話そうね! そんじゃね!」
そう言うと、ベルドレッドは巨大な飛竜の姿に変わり、周りの飛竜たちを束ねて帰って行った。
「ふぅ! 終わったの! じゃあ妾達は城下町に行くとするかの!」
「そうね」
「はいですぅ!」
俺達が帰ろうとした時だった。
「ちょっと待ってくれ!」
俺達が帰ろうとするのを遮るようにジークフリードが声をかけてくる。
「レイク、お前が竜族語が話せるのは分かった。その力、今日を持って我が国の危機を救ってくれた。本当にありがとう」
「俺は……友人たちの疑問を解決しただけだから」
「友人たちって、お前は到頭竜族側にまわったと言う事か? それが何を意味しているか分かるか?」
「分かっている」
「今からでも遅くはない。今ならお前の席を空けてやろう。 どうだ、今後もイブニクル王の元で働かないか?」
「……悪いがもう決めた事なんだ」
「……そうか、残念だよ」
「それに、俺はお前たちと敵対したいわけじゃない」
「どういう事だ?」
「俺にはヴィルヘリア達と交わした
「その契約とはなんだ?」
「人間と竜族すべてが友好な関係を築ける世界を目指す事さ。さ、ヴィルヘリア」
「うむ!」
ヴィルヘリアは少女の姿から、一気に竜の姿へと変わる。俺たちは再びヴィルヘリアの背中に乗った。
「じゃあ、上手くやれよ」
俺はそれだけを言い残し、すぐにヴィルヘリアが大空へと舞い飛んだ。
「行ってしまったわね」
ジークフリードの隣にヒルダが現れる。
「あいつは竜族側へと行ってしまった。竜王たちと友好的な関係がもう築き上げられている様子だった」
「竜王に懐かれた人間ね」
「いや、奴はもう人間ではない」
「?」
「奴は【竜人王】になろうとしている」
「竜人王……」
竜人王、それは竜と契約を交わし、大きな力を手にした人間の事を言う。ジークフリードから見たレイクの後姿は正に竜人王なりうる面影を感じていた。
「そう言えば、カタールはどこへ行ったのかしら?」
「ヒルダ、全員に命令しろ。裏切り者、カタールを探せと」
「……了解しました」
こうして、ジークフリードは次なる仕事の為に屋上を後にした。
レイクたちが竜を統べ、真の竜人王となり、人類と竜族を繋げるのはそう遠くない未来の話なのだった。
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最後までお読み頂きありがとうございます!
切が良いので一度この物語を〆たいと思います。
また書きたくなったら書くかもしれません……(*´з`)
最後に作者からお願いがあります。
「面白かった!」
「次回作頑張って欲しい!!」
もし、以上の事を少しでも思ってくださいましたら是非評価『☆☆☆→★★★』して頂く事やブックマーク登録して頂けるとモチベが高まります!
それでは次回作でお会いしましょう!
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無能認定され王宮から追放された俺、実は竜の言葉が話せたのでSSS級最凶竜種に懐かれ、気がついたら【竜人王】になってました。 霞杏檎 @kasumi678a
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