7月

キーンコーンカーンコーン。いつも通りの授業始めのチャイムが響き渡った。「はーい!授業始めますよー。」「今日は歴史についての授業になります。おいそこ寝るな。まだ1時間目だぞ!」「え?」「え?じゃないお前だ水岡。」

クスクス笑い声が聞こえる中俺は静かにノートを開けた。キーンコーンカーンコーン。「やっと1時間目が終わった。」俺は昨日の疲れが抜けていない。そのため1時間目が長く感じていた。

キーンコーンカーンコーン。4時間目終了のチャイムが鳴った。俺はいつも通り外で弁当を食べるため、外に向かった。そしていつも通り1人で弁当を食べた。しばらく外の風に当たった後、俺は教室に戻った。隣の席の濱崎さんもいつも1人で食べている。そして食べ終わると本を読んでいる。俺は席に戻ると疲れていたためか、睡魔が襲ってきた。キーンコーンカーンコーン。

おい。おい起きろ!「ん?」「もう6時間目終わってるぞ。」「嘘!?」気づいたら放課後になっていた。「もっと早く起こせよ!」「起こしてたぞ。隣の席の濱崎さんがな。」「え!?嘘俺の寝顔見られた?変じゃなかったか?」そんなことを考えながら部活に行く準備をした。

俺は陸上部に入っている。陸上部はいつも1番最後まで残って練習をしていた。俺は中距離をしているため、みんなとは違う練習メニューだった。外周をサボって近くの神社で時間を過ごすことが俺の部活となっていた。バレたら大変なことになるためこれは俺だけの秘密だった。

だが、部活終わりの濱崎さんに出会ってしまった。彼女は吹奏楽部でトランペットを担当している。いつもは聞こえるはずのトランペットの音が聞こえないと思っていたが、こんなところで出会ってしまうとは予想外だった。「部活中?」「そうなんだよ。」俺はサボっていることを悟られないように返事をした。「こんなところで?」まずい。これはもう誤魔化せない。

「いやこれは俺が勝手にサボってるだけ。」

「はは、水岡くんもそんなことするんだね。実は私も今日は部活に行かずに帰ってるの。」

意外だった。真面目に見えていた濱崎さんがそんなことをするなんて。「俺は毎日こんな感じだよ。ここがバレたら大変なことになるから内緒ね。」「わかった内緒にする。その代わり私のことも内緒ね。」「2人だけの秘密だね。」

俺は恥ずかしくなりながらもそういった。

「じゃあ練習頑張ってね。私帰るね。」

「うん。」俺はそう言って濱崎さんが見えなくなるのを待ってから神社の階段に座り込んだ。

そして俺はなぜだか気分が良く、見上げている空がいつもより綺麗に見えた。

「やっべー気づいたら30分たってる。」

俺は急いでみんなのところに戻った。幸いみんなはグラウンドで練習をしていて、俺のことは見えていなかった。だが顧問の先生が来ていた。そのことに気づいた俺は、どうしようか考えた。先生に遅かったな。と言われたが、走り終わった後にトイレに行っていたと誤魔化した。俺は練習メニューをみんなより早く終わらせてみんなの練習を見ていた。そうしているうちに下校時刻のチャイムが鳴った。

やっと帰れる。俺は急いで自転車を漕ぎ家に帰った。「ただいまー。」俺は疲れたため晩御飯を食べ風呂に入ってすぐに眠った。

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僕が知らない景色 @M1I2

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