コンパクトにまとめられた豆知識が詰まった楽しいコーヒーエッセイです。
日常的にコーヒーを飲み続ける中で、今まで何気なく見ていた豆の産地、種類。それらをもう一歩踏み込んで知ることができるライトな語り口が優しいです。
コーヒーのウンチクってムズカシイな、
目利き味利きって、クロウト好みのツウな話だよね。
と、ちょっと敷居の高さを感じていた理由も、ほんのり分かってスッキリしました。
国際基準、無いんだ……(驚愕)
同じ豆なのに産地で値段もグレードもマチマチになるの、そりゃ仕方ないわ……。
麻袋も大小様々あるの何でだろう〜? って思っていましたが、そういうことでしたか。
だからこそ、ハマる人はその魅力にどっぷりハマるんだな〜
ナルホドと思いながら、気がつくと自分もコーヒーを片手にしている、そんな作品です。
子供の頃は、苦いコーヒーを大人の飲み物と思っていた。しかし大人でもコーヒーを熟知している人は少ないのではないだろうか。こちらのエッセイは、そんなコーヒーについての基礎知識を教えてくれる。
曰く、コーヒーが難しく感じる理由のひとつには、コーヒー豆には国際規格がないからだとか。
グレードもバラバラで、麻袋のサイズもバラバラ。業者だって不便なのに統一できないのは、コーヒーベルトと呼ばれる熱帯の産地は自由な国々が多くてまとまらないから。
でもだからこそ個性的なコーヒ-豆が生まれ、世界中の愛好家たちを魅了する。
味のバランスがいいアラビカ種、希少なピーベリーや最高級のコピ・ルアクばかりでなく、安物扱いされるロブスタ種だって、持ち前の苦味がアイスコーヒーには欠かせない。ひとつひとつの豆が主張し合い、補い合い、焙煎やブレンド次第で香りや味わいを変える。コーヒーの奥深さに思いを馳せながら、コーヒーを飲みたくなります。
作る人、運ぶ人、煎る人、淹れる人、飲む人、歴史と文化が織りなすコーヒーの物語をどうぞ召し上がれ。
(新作紹介「カクヨム金のたまご」/文=愛咲優詩)