『砂の時間』

ヒニヨル

砂の時間

私のときは、れていると

とてもザラザラいびつに流れる。


誰かと誰か、こすりあって

ときにあたたかく

ときにつめたく

触れ合って、感じあって


気がつくと

いつの日か


渓流けいりゅうの水のように落ちて、

不思議とんだ心地と

積もるなめらかなでい

横たわって空をあおいでいる。


そして沢山たくさんの月日が、

一層のガラス越しに見つめているかのような

眼差まなざしを与える。


気が短いので、

私はまた

一転

荒れて、擦れて、澄んで、

仰ぐのだろう。




     fin.



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『砂の時間』 ヒニヨル @hiniyoru

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