世にはたくさんの吸血鬼物の物語があります。
永遠の命と怪物じみた力、美と退廃と月、吸血鬼の物語には奇妙に人をひきつける魅力があると思います。
この物語にもそんな要素が盛りだくさん。
吸血鬼の侵略と日夜戦う都市とそれを守る騎士団。
吸血鬼に対して強力な武器となる銀色の銘入りの拳銃。
勝気な姫と眉目秀麗な騎士団長。
教会に隠された対吸血鬼戦争の秘密……
もう心躍る要素がてんこ盛りです。
オリジナリティーあふれる魅力的な設定。
脳裏に鮮やかに映し出される光景とキャラクターの描写。
不気味な夜の雰囲気と、爽快さにあふれた戦闘シーン。
それらを魅力的に語る語り口がヴァンパイアストーリーを盛り上げます。
ぜひ読んでみてください!
吸血鬼を撃ち倒すための白銀の銃、『輝ける栄光(shining glory)』を手にする青年・ハルシオン。
騎士団長でもある彼は、罪なき人々を吸血鬼から守るために今夜も銃を構える。
彼自身もまた、吸血鬼に関わる衝撃の過去と運命を抱えていた――
夜の色を基調とした、鮮やかな色彩が絵画のように目の前に広がります。
黒い世界を駆ける白金の騎士の美しさと、彼らを取り巻く魅力的なキャラクターたち。
明るい姫にほっこりしたり、渋い司祭と酒をたしなんだり、かと思えば危険な吸血鬼と命を削るやりとりをしたり…
時に麗しく、時に峻烈に進んでいくストーリーにどんどん惹きつけられていきます。
美形が出てくるけど甘すぎない、吸血鬼ファンタジー作品がお好きな方にお薦めです♬
アルビヨン国の夜は危険だ。
何故なら住民を襲う吸血鬼が現れるから。
吸血鬼の脅威から住人を守るべく組織されたのは、銀光騎士団。
その銀光騎士団の若き騎士長ハルシオンは『輝ける栄光』と呼ばれる伝説の銃で吸血鬼を倒す!
この物語は、人を糧とする吸血鬼と吸血鬼の魔の手から逃れようとする人間のお話です。
この物語のなかの人々は吸血鬼に銀で対抗します。わたしも銀が吸血鬼が苦手なモノだとは知ってました。でも、しっかりとその部分に触れてる吸血鬼モノに最近は出会ってなくて。。。王道の吸血鬼の匂いを感じて、久々にワクワクしました。
作品中には吸血鬼に襲われる描写もあって恐ろしくもドキドキします。
でも一番不安に感じられたのは、やっぱり『吸血鬼が普通の人間として暮らしているかも』という設定です。この物語の吸血鬼は、人を襲う時以外は吸血鬼だって分かりにくいんです。
もうね。読んでる間、登場人物がみんな吸血鬼に見えました(笑)
吸血鬼にまつわる伝説と今の吸血鬼がいる状況との齟齬とか、ハルシオンの持つ銃にも不可思議な点があって、謎解き要素があるところも面白かったです!