短編小説 君と別れ、次に行く
別れが近づき、僕は想う。
君との出会いは約5年前に遡る。
日本の中の関東。関東の中の千葉。千葉の中の館山。年間を通して様々な花が咲き誇る「花のまち」、さらにサンゴやウミホタルの生息域でもある「海のまち」。僕はそこで君に一目惚れをした。
一目惚れ。その言葉通り僕は君の姿に惚れた訳だけど、君は内心も優しかった。他には無い魅力を持っていた。
それから5年間。僕と君はどんなときも一緒にいた。
嬉しい時も君は近くにいた。
悲しい時も君は近くにいた。
あの日の輝かしい光景を一緒に見ていた。
誕生日の日は忘れずに祝ってくれた。
何も無い日でも君はそばに居た。
僕の日常に君は欠かせなかった。
・・・・・・
でも僕は分かっていた。
いつか別れが来るであろうと。
それは確実に僕よりも早く。
なぜなら君には寿命があったから。
4年目ぐらいから君は高熱が止まらなかった。
1度熱が引いても数時間後には高熱になる。
40度を超えた時、僕は想ってしまった。
「そろそろ別れのときかな」と。
僕はそういう人間だった。
君はそういう物だった。
そう想っている時すでに、君に大切な想いを抱いていなかった。僕は次の出会いを求めていた。
今この瞬間も。そばにいる君。
僕は考えた。だけど答えは決まっていた。
次に行こう。
言うならば4の次の5に行こう。
別れ、僕は次に行く。
5年間ありがとう。
Xperia XZ2 SOV37
・・・・・・
#機種変
#4Gから5Gへ
想空箱(ごみばこ) ましゃき @masakky
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