Episode 3 二重人格
神山先生が相談に乗ってくれることになってから、心のわだかまりがかすかに消えた気がした。そのおかげか、後の授業も一限目よりかはちゃんと聞くことができた。
そしてついに放課後。僕は先生に言われた通り、サッカー部の部室に向かおうと、席を立った。そのまま外に出ようとすると、声が掛けられる。
「あれ、朔人今日早いね。何か用事でもあるの?」
透一だ。透一に関しての用事なのに、よりにもよって透一自身から話しかけられるとは。
別にバレたところでどうってことないのだが、念のためあまり怪しまれないように話す。
「ちょっとこの後残って掃除しないとダメなんだよね。気にしないで、先帰ってくれて大丈夫だから」
「そう? 良ければぼくも手伝うよ?」
失言だった。そういえば、透一はこういう性格だったのだ。自分のことなんて後に回して、他人のことを優先する。そしてここで断れば逆に心配する性格。でも今回ばかりは、神山先生にも迷惑はかけられないし、断るしかない。
「いや、本当に大丈夫だよ。人手は全然足りてるから」
実際はあの自称忙しい教師のせいで人すらいるのか怪しいが……。それに想像していなかったのだが、今考えると、あの人の事だから僕一人で部室を掃除させられる可能性が大いにあることに気付く。
透一は、惜しそうな感情を顔に出しているのかもしれない僕を見て、心配といった表情を浮かべて言った。
「朔人がそういうなら。じゃあ、ぼくは先に帰っとくね」
「うん、それじゃ、僕も掃除行ってくる」
「頑張ってねー」
今になって思うのだが、僕は本当にいい友を持ったと思う。でも、昨日の事や今日の朝のことで、透一を見る目が少し変わってしまった。もう、これ以上何も起きないでいてほしいのだが……。
サッカー部の部室は、校舎から一番といっていいほどに遠い。グラウンドのわきに、いろいろと体育関連で使われる道具等が仕舞われている建物があるのだが、その建物の一室がサッカー部の部室となっているわけだ。
僕も一度だけ入ったことがあるのだが、今でも印象に残るほどに道具が散らかった部屋だった。まるで物置部屋のような、いや実際に物置部屋として使っているのかもしれない。
そんなことを考えていると、ますます恐ろしくなってきた。あの先生は一体なんてものを僕に手伝わせようとしているのだと。人手が足りているのなら別だが、あの人の事だ、そんなはずがない。
先のことに少し臆しながらも、僕は変な重さの足取りで部室に向かった。
部室の前までくると、諦めのような気持ちが出て、不思議と足取りは重たくなかった。そのまま開いている扉をくぐって、一声出す。
「お待たせしま……」
言葉が止まってしまった。あらゆる事態を想定していた僕でさえ、全くこの光景だけは予想してすらいなかったからだ。
「おう、遅かったぞ田嶋」
想定内の神山先生の声。
「あ……、朔人くん……」
想定外の、白城さんの声。
驚いているのは僕だけではなかった。白城さんもまた、まさか僕が来るなんて思っていなかったのだろう。この部室にいるのは、僕と彼女と先生だけ。昨日あんなことがあって、両者共に気まずくないはずがない。
神山先生は、当然そんな僕たちの関係を知る由もなく、「あとは二人で適当に掃除しておいてくれ」とだけ言って出て行ってしまった。まさか二人だけを残して出て行ってしまうなんて、もう僕は何も考えたくないほどに呆然としてしまっている。
無言の状態が続き、先に口を開いたのは白城さんだ。
「と、とりあえず、物を移動させよっか。それから掃き掃除をしましょ。先生良い頃合いになったらまた来るって言ってたし、それまで頑張ろっか」
白城さんはそう言って、着々と無造作に置かれた道具類を所定の位置に移動させていった。
何も言えない僕が恥ずかしくなってしまいそうだ。とりあえず僕も、彼女を見習って物を移動させていく。ある程度片付いてから、僕は気になったことを口にした。
「白城さんも、先生に頼まれてきたの?」
「そうだよ」
「どうして白城さんが?」
「え、ああ、わたしサッカー部のマネージャーだからさ」
「あ、そういやそうだったな」
神山先生の異質さのせいで、白城さんがサッカー部のマネージャーだったことなどすっかり忘れていた。それにマネージャーをしている姿を実際に僕は見たことがなかったし。
一時、白城さんは何を対価に掃除を頼まれたのか気になっていたのだが、マネージャーなら元から対価などないのだろう。というよりか、マネージャーじゃなくてサッカー部にやらせればいいものを。
「朔人くんはどうして頼まれたの?」
白城さんからすると、サッカー部と一切の接点もない僕がいるのが不思議なのだろう。
「あーちょっとね、神山先生に頼まれてさ」
「あの人が頼むなんて、珍しいね」
「いや、僕が先生に頼みごとがあってさ、そしたら代わりに掃除手伝えって言われて」
「そういうことだったんだね」
納得といった表情で、彼女はほうきを手にした。僕の頼みごとの内容を聞かないあたり、気配りができているのかなと思う。
それからは、お互い何も話さなかった。話せなかった、の方があっているかもしれない。
僕は黙々と掃除する白城さんの横顔を見た。何度見ても、美しい造形をした横顔だった。長めのまつ毛、ぷっくりと小さく膨らんだ唇、汗で頬に貼り付いた髪。どこをとっても、誰にも引けを取らないほどに緻密で完璧な容貌だ。
そういえば、僕が白城さんの事を好きになったのも、この完璧な容姿がきっかけだったような気がする。もちろん、気軽に僕に話しかけてくれるその性格や、誰に対しても分け隔てなく優しいとこも好きだ。
ああ、結局、僕は想いが成就しなくても、この子の事が好きなんだ。そうだった、僕は叶いもしない願いを諦めることができないんだ。いつもそうだ、そうやって人に、自分に期待して、期待しただけ損して、結局後悔して……。
昨日の、あの瞬間の気持ちがよみがえる。全てが無駄に終わったようなあの感覚だ。僕がこの子の事を好きになったことを呪いたくなるくらいに、悵然としたさまだった。
もう僕に道は残されていない。全て終わった話なんだ。だが、今目の前には、その僕の道を閉ざすきっかけとなった人物がいる。決してこの子が悪いわけではない。全て僕の勝手な行動のせいだ。
どうせなら、この感情に終止符を付けたい。
そう願いながら、僕は決意する。最後の勝手を許してほしいと思いながら、僕は白城さんに話しかけた。
「白城さん、僕……」
彼女は手を止めて、僕を見た。その表情は、困ったようにも見えるし、申し訳なさそうにも見えた。
「あれから色々考えたんだ。僕の胸の中の気持ちとか色々」
急にこんな話をして、わけのわからないはずなのに、白城さんは僕の意図を汲み取ったかのように、頷いた。
「結局、何も変わらなかったんだ。君への想いが、何も変わらないまま胸にあったんだ。諦めようと思った。全て忘れようと思った。だけど、諦めきれなかった」
白城さんは何も言わずに、ただ静かに僕の話に耳を傾けている。僕にはそれでいい。何か言われると逆に精神を保てなくなりそうだから。
「君の、優しく包み込んでくれるような声が好きだ。どの花よりも美しい君の容姿が好きだ。温かい目で話してくれる、君が好きなんだ」
もう、止められなかった。少し頬を朱に染め、依然として動かない白城さんを目の前に。
「君に、僕の願いを叶えてほしいわけではないんだ。ただ、僕は僕の気持ちをちゃんと伝えて、それから、君自身の気持ちを知りたいんだ。だから、お願い。白城さんの想いを、僕に教えてほしい」
これ以上言うことはない。あとは、君自身の気持ちを知るだけ。
白城さんは、ほうきを握る手に力をこめる。僕から目線を逸らして、言葉を整理しているのだろうか。
僕は自分の胸に手を当てた。驚くべきことに、心拍数はあまり上がっていない。こういう時に出る落ち着きというのは何なのだろうか。
老朽化した壁の隙間から、わずかながら風の音が聞こえる。サッカー部は今日休みなのか、外は静かだ。
やがて、彼女は口を開いた。
「朔人くんのその気持ち、わたし、嬉しいよ。ちゃんと嬉しい。何も否定しているわけじゃないの。だけど、やっぱりその気持ちには答えられない」
そんなこと、とうに分かっていた。一度フラれた身分で、何を僕は期待しているのだろう。だけど……。
「その理由を僕は知りたい。わがままでごめん」
そういうと、彼女の顔は一層赤く染まった。何か、言い辛そうにしている。聞かなかった方が良かったか? と思ったところで、彼女は小さな声で呟いた。
「わたし……好きな人がいるの」
彼女の言葉に、驚愕した。全くもって予想外の理由だったからだ。白城さんに好きな人がいたなんて……一体誰が……。
下唇をかみながら、僕は聞く。
「……好きな人、知りたい」
普通なら嫌がる質問を、彼女はそんな顔をせず、もじもじとしながら言う。
「誰にも言わない……?」
「言わないよ。聞いて忘れるつもり」
「そう……。わたし……」
一呼吸置いて、かすかに聞こえる声量が僕の耳を通り過ぎた。
「寺本くんが好きなの……」
僕は、もう、何も言えなかった。悔しくも、その理由には納得せざるを得ない人物だったからだ。
彼女が言う寺本、サッカー部のキャプテンで、それこそ女子に人気な人物だ。人当たりもよく、僕に対しても気前よく話してくれるし、否応なしに嫌えない人物だった。
またしても、僕は負けた。完膚なきまでに。人間性からすべて。
「寺本くん、すっごく優しいの。いつも話しかけてくれるし、それに、かっこいいし……」
自分で言っておきながら、もう、聞きたくない……。それ以上言うと、僕の心が……。
「サッカー部のマネージャーになったのも、寺本くんがいたから」
やめてくれよ。
「ほんとに部活熱心で……」
「……から……わかったから。それ以上、言わないでくれ」
「朔人くん……?」
「ごめん、もうこの話は終わりにしよう」
「え、うん……」
僕の突然の言葉に、彼女は戸惑いながら、口をつぐんだ。
自分でも思っている。これは無責任だと。自分だけ言いたいだけ言って、彼女には何もしてやれない。申し訳ないと、心の中では思っているのだ。
いつか言った神山先生の、恋の終着点。その中にある厄介な愛。愛は恐ろしい。愛の形は様々だ。美しい薔薇を咲かせる愛もあれば、どす黒い血みどろに塗れた薔薇が咲くこともある。強すぎる愛がゆえに、物事にひどく悲しみ、ひどく心を痛ませ、いつしかそういったことにならないように束縛とか、対象を自分が操ろうとする。
今思うと、馬鹿みたいだ。恋は、一種のギャンブルなのである。ギャンブルをしてはいけないことなど、義務教育でさんざん教え込まれたのではないのだろうか。どうせ最後は痛い目を見て終わるのだ。なのになぜ僕は……。
唇を強く噛みしめ、自分の醜い行動を思い返していると、扉の方から物音がした。振り返ってみると、神山先生が気怠げに中に入ってきた。そして中を見渡して、満足といった風な顔をして言う。
「ちゃんとやっていたようだな」
ほとんど白城さんの業績だということは黙っておく。
「うし、まあ今日はこれくらいでいいだろう。ほれ、白城はもう帰っていいぞ」
「ありがとうございます」
彼女は一礼をして、掃除道具を片付けてから荷物を取り、「お疲れさまでした」と行儀よく挨拶をして外へ出ていった。僕は最後まで彼女の顔を見なかった。もう見れなかった。
「よしよし、それで手短に……どうしたのだ、そのような暗い顔をして」
僕の落ち込んだ気分を察したのか、先生は表情を変える。けど、こんな個人の事を話すのは迷惑だし、関係ないから先程の事は黙っておくと決めた。もうこれ以上人に迷惑をかけたくない。
「いや、何でもないです。それより、聞いてほしいことがあるんです」
なるべく何もなかったように振る舞う。先生もそれ以上何も聞かなかった。
「突然ですけど、人が記憶をなくすことなんて普通にあるんですか?」
「ふむ、恐らく君の知り合いか誰かの記憶が欠落しているのだろうと予想するが、その相手はどこか怪我などしていたか? 特に頭だ」
流石理解の早い先生だと感心する。日頃からおかしなことばかり考えているだけあって、僕の質問に全く動じない。
「いえ、それがその子は無傷で……」
「ほう。もっと詳しく話を聞こうじゃないか。どういった経緯だ?」
先生は興味を持ったらしく、乗り気なのは見ただけでわかる。
「はい。昨日の放課後なのですが、僕は友人と会って少し話しました。その時の友人は、何か、いつもと雰囲気が違っていたんです。喋り方も、喋る内容も、表情もいつもと何か違っていました。その時は気のせいかと思ったんですが、次の日またその子と話すと、昨日の面影はさっぱり消えていて、いつもの友人に戻ったんです」
「そして、その子に昨日の事を聞くと記憶がなかったと。なるほど」
「は、はい」
まだそんなこと言っていないのに勝手に納得している……。流石としか言いようがない。
先生は少し悩んだ挙句、こんなことを言い出した。
「まずそれが虚偽でないと仮定するのであれば、一つだけ、思い当たる節がある」
「ほんとですか!?」
先生の言葉に僕は興奮が止まらず声が大きくなってしまう。まさか、僕がいくら考えても分からなかったことをこんなに一瞬で。やはりこの先生に聞いてよかったと実感する。
「君は解離性同一性障害を知っているか?」
「かいり……何ですかそれは?」
「まあ、いわゆる多重人格というやつだ」
「多重人格……」
多重人格なんて、非現実的なものだとばかり思ってしまっていた。実際にあるのは知っていたが、まさか透一が……?
「一般的に、多重人格は、メインの人格と別の人格で記憶が共有されない時があるのだ。だからカレンダーなどに予定を書いたり、日記をつけたり、また別人格でメールをし合ったりと、そういったことで記憶を共有するという手段があるのだが、それをしなかった場合、どうなるかわかるか?」
「……記憶は共有されない……?」
「当たり前だがその通りだ。そして君の友達はその可能性が高い」
「でも、今までそういったことはなかったんですよ?」
「解離性同一性障害は、生まれつき発症するものではない。何かがきっかけとなっておこるものだ。いつ発症してもおかしくない」
「そうなんですか……」
「私に言えるのはこれくらいだ。それ以外であれば、他の人を頼ってくれたまえ。そして今日は私の代わりを担ってくれて礼を言う。それでは今日はこれで失礼する」
簡潔に先生はそう言い、部室を出ていった。だがいくらなんでも、早すぎないかと思う。確かに自分一人では辿り着けなかった推測にはたどり着いたが、もっと色々と……。そこまで考えて、まあいいかと開き直る。時間をとってもらい、これほどの情報を手に入れたのだ。それに、僕もその考えに納得をしたからだ。
多重人格……確かにあの時の透一はいつもと違った。ここまでくるとそうとしか考えられない。僕は謎の真相に近づいた興奮で、とっくに白城さんの事など忘れていた。
あの後、僕も荷物を持って学校を出ようと、校門まで向かった。
神山先生が言ってくれたことを頭の中で復唱しながら歩いていると、またしても、僕の頭を狂わせるような人物が僕の目の前に現れた。もうこれで何度目だよという、一種の呆れのようなものが沸いた。
「やあ、朔人」
「透一……」
僕の前に現れたのは、帰ったはずの透一だった。だが、今僕の目の前にいるのは、透一であって透一ではない。
「昨日ぶりだね。どう? 調子はいい感じかい?」
「おかげさまで、最悪だよ」
「そうかい……。かわいそうに」
僕の悲しみを自分のものかのように悲しむ透一。何か気味が悪い。
物事を先延ばしにするのも嫌いなので、僕は単刀直入に言う。
「神山先生から聞いたよ。透一は多重人格なんだろ? なんでそうと僕に言ってくれなかったんだ」
透一は嘲笑して僕に言う。
「ちょっと違うね。ぼくは多重人格ではない」
先生の仮説が違った? いやそんなわけは……。だってそうじゃなかったら。
「じゃあ、一体お前は誰なんだ?」
「君が知るには少し早いかもね」
「早い……?」
「そのうちわかると思うよ」
パッとしない答えに、僕は何も言えなかった。というよりか、恐怖に近い感情で、喉に力が入らなかった。
先生は言った。証明できないものは美しいと。だが、今目の前にいる不特定なものに対して、僕は一切美しさなど感じなかった。むしろ、不気味だ。先生の感覚はおかしい。
「それで、どう? この世界は。面白い?」
まただ。またこの質問だ。だがこの質問に対しての答えは、すぐに出てきた。
「全くもって、面白くない。そもそも、面白いとかそういう問題じゃないんだ。この世界は、僕を不幸にするだけの、僕以外のために創られた世界だ。それに……」
今一度、今まで歩んできた人生を振り返ってみた。だけど、そこには大した思い出もなくて、やっぱり辛いことばかりしか思い出せなかった。そこから導き出せることが、本当は口にしたくなかったが、勝手に喉を伝ってしまう。
「僕が生きる理由が見つからないんだ。今までなんで生きてきたんだろうと、振り返ってみた。だけど答えはなかった。そこに無理やり理由を考えてみたんだ。それが、『死ぬのが怖いから』生きる、だった」
透一は哀しい目をしていた。いまだにその目の理由がわからないが、何故だか僕はその目に惹かれてしまう。
「透一、なんで僕は生きているんだ? 死ぬのが怖いから? じゃあなんで僕は生まれてきたんだ。それに僕の想いは何も成就してこなかった。もう、生きること自体が辛いよ。こんな世界、面白くないよ、透一……」
本音を、吐き出してしまう。こんな得体のしれない生物を目の前に、しまいには懇願さえしてしまう。僕は何なのだろう。一体何をしたいのだろう。
陽はもう暮れかけていた。空は唐紅色へと徐々に浸食されている。遠くから烏の鳴き声が聞こえた。
透一は、僕を見て、優しい微笑みで言う。
「じゃあ、終わりにしようか」
「なんだって?」
「実行は、明後日の午後にしよう」
透一はそれだけ言い残して校門の外へと歩き去っていった。僕はその後を追う気もなく、ただ立ち尽くしていただけだった。
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