美しいのは、石じゃない。


ほのくらい、オープニング。
不安と心細さが際立ちます。

それでも、おそらく主人公のしあわせが約束されたおはなしなのです。
そうなのだと、知っていても。

でも、なら、どうやって。
どんなしあわせを、この女性は、どうやってつかむのだろう。

タイトルにも宝石が登場します。
美しく輝く宝石は、しあわせの象徴。
だから、きっと、宝石が救ってくれるのだろう。
宝石にたすけをもとめることが、彼女に許されるのだろう。

そうおもった、わたしは。
おそらく、あなたも。

裏切られるのです。
心踊るものがたりと、最高の興奮のなかで。

受け取るしあわせではなくて。
主人公がじぶんの意思と才能と、こころをもって。
夫となるひとと一緒に組み立ててゆく、そのしあわせを。
たくさんのひとを巻き込んでつくってゆく、その輝きを。

わたしたち読者は受け取ることになるのです。

美しく輝く宝石は、しあわせの象徴。
でも、宝石を輝かしめるものを、目の当たりにできる機会は少ない。

いまが、そのときです。

さあ。

わたしと、いっしょに。

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