エピローグ

「ヒビキ。また王族の連中が来たわ」


「ああ。俺が前に出るから、アルメリアとイオは援護を頼む」


「援護など性に合わん。一緒に叩くぞ」


 俺とイオとアルメリアは、【スターホープ】の射出ハッチにいた。

 エルクラウドから王族が接近しているという情報があり、それを撃退するのが今回の任務だ。

 イオは【ブラックバード】、アルメリアは【パープルパピヨン】を装備し、俺の隣にはリューがいる。


「その通りよ。私はバンバン攻撃してくから、ヒビキが援護して」


「分かったよ。でも危険な真似はしないこと。絶対に死ぬなよ」


「リュー」


 リューが【ガ―ディアス】の姿になり、俺はリューを装着する。


「でも俺が皆を死なせないから安心してくれ」


 頷くイオとアルメリア。二人はカメルケ戦の後から俺を信頼してくれている。


「私たちも守ってね、ヒビキ」


「私怖いから響の隣にいる」


「私も私も」


 俺の両腕を取るエルクラウドの戦士とエンデューラの戦士。

 美女二人が俺の左右に。両手に花状態だ。


「あんたたち、近づきすぎだから!」


「そうだ。作戦に支障が出る。ヒビキには極力接近するな」


 二人を引き剥がすイオとアルメリア。

 離してくれたことに俺はホッとする。


「モテる男は辛いねぇ。どんな気分だよ、色男」


 俺の背中をバンバン叩くバサラ。

 カラッとした性格が逆に気持ちいい。

 彼女は俺をからかっているのを分かっているから、俺は肩を竦めるだけで返事はしない。


「よし。じゃあそろそろ行くか。あんたら、気合入れろよ!」


「はい!」


 バサラの気合の入った声は戦士たちの気を引き締める。

 そしてバサラの合図と共に、全員が宇宙へと飛び出して行く。


 俺はヘルメットを装着し、イオとアルメリアに頷く。

 二人は頷き、微笑を浮かべた。

 不安などないと、一緒なら負けるはずないと。二人からそんな信頼を感じる。

 俺も同じだ。二人を死なせるつもりはないし、皆がいてくれるから力を発揮できる。

 一人じゃない。それだけで俺は十分だ。


 カタパルトを滑走し、宇宙空間へと飛び出す。

 暗い宇宙の中で、【ガーディアス】の輝きが眩く映る。


 世界を取り戻す戦い、皆を守る戦いはまだ続いていく。



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 最後までお付き合いしていただいてありがとうございます。

 今作は中編コンテストに応募作品なので、ここで一旦完結となります。

 別作品をまた投稿予定なので、フォローをして待っていただけたら幸いです。

 それでは本当にありがとうございました!

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気が付けば機械兵器がある世界にいた俺。ぼっちだった自分だけが使える特殊能力のおかげで最強になり、女しかいない環境では周りが放っておいてくれない 大田 明 @224224ta

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