後日談。

04/09日


俺がこの世を去ってから丁度一ヶ月が経った。先生に渡して置いた遺書を読んでもらうべく、、病院に向かわせた。


医者「これ…涼哉君から渡されて、涼哉君が死んだ一ヶ月後、家族に渡して欲しいと言われたものなのですが…。」


俺が渡した物、それは俺からの最期の手紙。


母「…読むわね。」


「父ちゃん、おかん、アニキ、あかね、


 これを読んでいるってことは、俺、とうとう死んだって事だな…。


 でも、何も怖く無い、だから、安心して。


 皆が悲しんでたら、俺、安心してあの世へ旅立てねぇからよ。だから、ずっと笑顔でいて、


 元気でいてね。もう、思い残すことは無い。


 強いて言うなら、また、皆で遊びたかったな…皆とお話したかったな…


 でも!高校に入ってから、沢山友達も増えて、皆、遊んでくれたし、お話もしてくれた。から、それだけでもう十分!!


 俺が言うのもおかしいが、皆、身体に気を付けてね。


 最後に一言。先ず、おかんから、産んでくれて、ありがとう。ここまで育ててくれて、ありがとう。元気でいつものおかんでいてね。


 次に父ちゃん。俺のために、皆のために、一生懸命汗水垂らしてお仕事してくれてありがと。これからも、無理しない程度に頑張ってね。


 そして、アニキ。彼女と上手くやれよ。己の道を、真っ直ぐ、強く生きて行って。俺と兄弟になってくれてありがとう。


 最後にあかね。まだお前も小せぇのに、早死にして悪いな。でも、悲しむな、落ち込むな。お前は強い。(色々な意味で)だから、頑張って 生きろよな。


 後、友達、先生にも書いたから、学校に送るかなんかしてくれると助かる。俺の最期のお願いだ。


 んじゃ、もう書くスペースねぇから、サヨナラだな…。今まで支えてくれて、ありがとう!!俺の物語これにて終了!!…なんてな。」


上から見ていた俺の元に皆の泣く声が聞こえて来る。俺はそっと、「元気でいろよ!!」と、あの世から囁く。皆に届いて安心した。



後日、友達、先生宛に書いた手紙を読んでもらえた。


 「先生、浦三、遠藤、晶光、宝城さんへ。


 この手紙が届いたという事は俺はもう死んだって事だね…。


 先生にであえ、皆に出会えて、友達にもなれて、本当に、嬉しかった。皆が話 し掛けてくれなかったら、俺はひとり寂しく高校生活を送る所だった。


 みんなに出会えて良かった。一年という短い時間だったが、俺と友達になって くれてありがとう!!仲良くしてくれてありがとう!!


 皆と笑ったり、泣いたり、時にはぶつかり合ったりもした。


 その日々は、俺にとっては素敵な宝物です。


 俺は、凄く幸せでした。


 これから先、辛いこともあるでしょうが、皆ならきっと、大丈夫!!


 こんな手紙を読んで頂き、ありがとうございました!俺と関わって頂き、本当に、ありがとうございました!!


 最後に、一人ひとりに一言、お礼の言葉を言わせてくだい。


 先ず、晶光。


 中学からの付き合いで、お前が一番長く、仲良くしてくれて、俺的には親友だと思っている。


 本当に、いままでありがとな!これからも、頑張れよ!!


 次に、浦三。


 最初見た時から、お前は本当に面白かった。


 優しさもあり、場を盛り上げてくれるムードメーカーってのが、俺の一番の印象だな。


 これからもその明るさ、面白さで、場を盛り上げてくれよな!!話し掛けてくれて、ありがとうな。


 そして、遠藤。


 最初は、何考えてるのか分からなくて、正直お前の事を上手く掴めなかったのだが、段々と一緒にいる内に、何となく分かってきた。


 宝城さんと一緒にいるお前はいつもニコニコしていて、幸せそうで羨ましいな〜、と思っていた。


 気も使えて、優しいくて良い奴。その優しさを、いつまでも忘れんなよ!!お前との日々、楽しかったぜ!


 そして、最後、宝城さん。


 正直に言うと、初恋の相手はあなたでした。


 最初にあなたを一目見た時、恋に落ち、先ずは友達から初めてたいと思いました。


 そして、友達になってくれた。


 優しく、笑顔で微笑んでくれる、その優しい笑顔に、俺は心を奪われました。


 あなたという存在に出逢え、仲良くしてもらい、身に余る光栄です。


 声優になるのが夢って言っていましたよね?絶対、あなたならきっと、なれると思っています!!


 だから、どうか、頑張って夢を叶え、全国にあなたの声を広めて下さい!!応援していますから!!


 先生方も、色々お世話になりました。お体にお気を付け下さい。


 まだまだ書きたい事はあるけど、スペースが足りないので、ここで終わりにさせて頂きます。


 皆さん、本当に、ありがとうございました!!それでは、お元気で!!」


教室が涙に包まれる。


俺の周りには良い人しかいなくて、幸せな人生だったと思う。



あの日の出来事から、十年の歳月が経つ。


毎年必ず、友達や、俺に関わってくれていた人は、お線香をあげに来てくれる。


幸せな人生でも、必ずいつか終わりは来る。悔いの無いように生きる。


やっぱり、それが一番だな!! (完)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

友、夢の向こうに。 山ワサビドレッシング @yamawasabi_dressing

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ