最終章:別れ。

03/09日


今日は三年生の卒業式、まだ色々やりたい事はあったが、三年生に会えるのは今日で最後だ。


おめでたい事なのだが、とても寂しい。


あの後、退院が決まり学校にも行けた。皆は暖かく歓迎してくれて嬉しかった。


卒業証書を受け取り、皆で三年生へのお別れ会をした。


そして、お別れの時間がやって来る、涙か込み上げて来た。


今までの思い出が、走馬灯のように甦る。


俺「宝城さんに…最後のお礼を言わないとな…。」

浦三「あぁ、そうだな…。」

遠藤「コクッ…」


宝城さんに近寄る。


三人「宝城さん!!」

宝城さん「遠藤君、奏君…磯島君も…」

三人「今まで、色々な事において助けられ、感謝しかありません。ありがとうございました。」

宝城さん「私の方こそ、色々、ありがとう。磯島君は体調、気を付けてね。」

俺「はい…。最後に…一つだけ…お礼を言わせて下さい。」

宝城さん「お礼?」

俺「ハイ!!あなたに出会って、俺の周りの人の見方が変わり、人を信用出来るようになりました。あなたが居なければ、俺の夢は一生叶いませんでした。あなたが居たから、皆が居たから、仲間がいたからこそ、こうして夢は叶いました。俺は宝城さんへ感謝してもしきれません。あなたと出会えてとても光栄です。この先、辛い事や悲しい事、躓いたりしてしまう事もあると思いますが、是非、あなたのその優しさで、笑顔で、思いやりで、これからも、頑張って…強く…生きて下さい!!俺…応援していますから!!」

宝城さん「……ありがとう。私も楽しかった。…磯島君も頑張ってね。」

俺「ハイ!!ありがとうございま…バタッ…」


俺は倒れてしまった。


宝城さん「え?磯島君!?大丈夫!?ちょっと、誰か!!」

浦三「おい、しっかりしろ、涼哉!!」


俺は遂に最期を迎えようとしていた。


病院に搬送され、集中治療室に連れて行かれた。


意識が朦朧とし始め、俺は死ぬ覚悟を決める。


皆の泣きじゃくる声が聞こえて来た。


俺は最後の力を振り絞り、「ありがとう。」そう伝え、静かに目を閉じた。


俺は…短い人生だっだが、楽しかった、幸せって言うのは、こう言う事を示す言葉だったんだな、友達に囲まれて、俺は幸せだったな、と改めて実感できた。


最終章(終)

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