乖離
「アクアを連れてきたか」
「はい」
「よろしい。なら、今からお前にミッションをやろう」
「ミッション?」
「現実世界に住んでいるある少女。彼女を救ってほしい。」
「でもどうして?」
「現実世界とここの移動は私が管理しているからいつでも様子を確認することができるのだが、最近自殺しそうな雰囲気を感じるんだ。」
「そうなんですか…」
「彼女は私の孫で生前は仲良くしていたからなんとか自殺から救い生きる希望を持たせてあげてほしい」
「…わかりました」
「ありがとうな。これが写真だ。
「はい。頑張ります!鴇羽さんを救えるように」
「頼んだぞ。ただし一つだけ。もしこのことがバレたらお前もアクアも私も何をされるかわからない。私もなるべく努力するがくれぐれも気をつけてくれ」
「はい」
「それではこの穴の中に入ってくれ」
穴を覗くと底が見えないほど深く、ただ闇だけが広がっている。息を呑んだ。私は空の手を繋ぐ。覚悟を決めて飛び込む。体は勢いよく落下している。しばらくすると下の方に光があるのが見えた。そこに着くと視界全体が光で覆われ、次に私が気づいたときには人で溢れ返っている大通りのすぐ傍にある路地裏に倒れ込んでいた。
第2章 再びやり直せるなら 10まんぼると @10manvoruto
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