叶う夢ばかりじゃないのはわかってる、でもありえないことなんてないんだ

素敵な話である。
四つ葉のクローバーが本当の幸せを引き合わせたと思える作品。
友達との出会い、再会ほど嬉しいものはない。
端的でわかりやすく、状況描写にこだわりが見られ、表現が上手い。

母親は、真咲の引っ越しを知っていた。
知っていて、連休の最終日には帰宅夜遅くなるまで家族で出かけていたのだ。
「ごめんごめん、忘れてたのよ」はちょっとひどい。
親友だと知っているだろうし、引っ越し理由も聞いている。
娘に何もいわないなんて。

宏介は無実だったので、ちょっと可愛そうだった。
日頃からやんちゃをしていたそうなので、疑われても仕方がない。
「あの頃は本当に思い込みが強かった」とある。
中学生になった美代は、成長したのだろう。

二人が出会えて気持ちを伝えられたのは、四つ葉のクローバーのおかげだと思う。