第9話 とある日常①

 ショッピングモールの件から一日。その後は何事もなく過ごすことができた。ニュースでも報道されていたが、僕たちに関することは何も報道されていなかった。ちなみに、昨日で夏休みが終わったらしく、今日から魅音は朝から高校に行っている。僕もこっちの授業とか気になるし通ってみたいのだが、僕は通えるのだろうか。戸籍とかいろいろあるし。。。


 カフカさんも今日は凛花さんとアゲハさんと買い物に行くらしく、他の人はどこにいるかわからない。カフェでしか会うことがないし家の場所も知らないし。。。てなわけで今僕は久々に一人の時間を得ている。


「そういやぁここ一週間忙しすぎてノートのことに手が付けられてなかったな」


 時間はあるし焦らなくてもいいかと少し後回しになってしまった。そうだ、今日は何か叶えられそうなものを探ってみるか。


 俺はノートを開いた。最初は前に見たこの世界についての概要とか常識が載ってある。まあ、能力については載ってなかったけどね。。。なんで。

 次に、僕と葵の契約の詳細が載っている。僕が夢を叶えたら葵の命を生き返らせる。そしていまこの危機を脱し、僕の安全を確保する。その代償に、葵は命を捧げ、僕は覚醒世界に入る。。。なんかちょっと増えてない?これも、覚醒世界でしか成しえない夢の影響だろうか。


「お、こっからか」


 私の叶えたい夢100個という大見出しの下に見開き1ページにずらっと書かれている。一日にどれくらい叶えられるものだろうか。とりあえず難易度的に簡単そうなものからやっていこう。


1:人々の手助けをする

2:空を飛ぶ

3:伝説の黄金オムライスを食べる

4:ANOTHER-STORY最終章を見る


 序盤はやっぱかわいらしいな。最終章って、僕最初も見てないんだけど。他にはなにがあるかな~。


34:男の子になる

38:陰ながら魅音ちゃんを助けたい

41:アイドルのみなみんとお近づきになりたいッ!!


 趣味が全開になってきた。。。この先が不安だ。最後の方から見てみようかな。ってこれは、、、


87:ALWBITEとして人々を助ける

90:転生者を開放する


 転生者って。。。僕みたいな人か?まさか僕以外にもいるのか?しかもまたこのあるびてとかいうやつ。


92:戦乙女を止めたい

93:死にたい

94:悪の組織として、戦乙女と決別する


 僕は絶句した。このノートの、成し得られなさそうな難しい夢って、こういうやつなのか。あれだけ僕の前では笑顔で、勇敢な少女だったのに、こんな闇を抱えていたのか。それとも、ただの興味本位か。


 そこからは、闇が漏れている内容だったけど、最後だけは違った。


98:恋人を作る

99:あおくんともう一度お話ししたい(済)

100:あおくんと、みんなと生き返ってもう一度お話ししたい


 さっきとは違って、なんとも青春を過ごす女子って感じだ。100個目を達成するためにも、今日から張り切って頑張るぞ。


 って、99個目は達成したのか?てことは、あの時神社で会った時のことか。と物思いにふけっていると、頭の中に自然と知識が流れ込んでくる。僕はおもむろに(済)と書かれているその場所に手を当てた。途端に、目の前に文章が流れてくる。



【能力〈契約〉の内容を達成しました。報酬をお受け取りください。】



 ある種の機械音声のようなものが流れてきて、自分の手のひらに何かが握られているのがわかる。


「これは、、、サイコロ?」


 そのサイコロは、一般の人からすれば見慣れないボールのようなものだが、僕からしたらある種親しい気持ちになる。


「100目ダイス。。。」


 さっき頭に流れてきたもののおかげで、これが僕にとって何なのか、瞬時に理解できた。


「僕の能力って、まさかこれなのか。。。」


 一時期たしかにハマっていた。いや、一時期と言いうか今でも危機的状況になったりするとそういう思想に陥ったりするが。。。いつ頃からだったか。離婚する前の父が教えてくれたのがきっかけだ。


「でも、いがいと汎用性は高いか。。。」


 少しウキウキな気分になり、街へと繰り出すのだった。


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 最強すぎる能力よりかは、運要素のあるやつの方が個人的に結構好きなのでこうなりました。わかる人にはわかると思います。ちなみに神話生物は今のところ出てこない予定です

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死んで転生したらすでに闇堕ちした戦乙女だった件 遊英 @ANOTHERstory

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