真夏のラーメン 🍜

上月くるを

真夏のラーメン 🍜




朝曇ふとラーメンの匂ひせり

矢も楯も五目ラーメン夏の暁


十分で隣町まで百日紅

万緑や川道鉄路並行す


標識に山城見える猛暑かな

合歓の花分けて自転車現れぬ


日盛りのモールの黙の広さかな

本読みてオープンを待つ冷房車


常連の仲間入りして団扇かな

厨房のうしろすがたに滲む汗


夏シャツの横一列にカウンター

おとなりはムーミンママや氷水


ハンカチと割箸そろへスタンバイ

どんぶりのスープの澄みや扇風機


絶品の烏賊と海老との旨煮そば

あんかけの色とりどりに夏野菜


割引券もらひ暑中に泳ぎ出す

灼熱の車に乗ればどつと汗


十分で帰宅追ひかけ日雷

けふの日の小さき幸ひ髪洗ふ




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

真夏のラーメン 🍜 上月くるを @kurutan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ