一年後
彼が死んだ日から、ちょうど一年が経ったのだろうか? あの頃が懐かしい。
あの事件の対策として、屋上には柵が設置されたが、高さが無いのであまり意味をなさないだろう。
私はというと、あの日をきっかけに、A子を中心にしたクラスメイト達にいじめを受けている。
学校で、人とすれ違うたびに、ひそひそとそこら中から陰口が聞こえ、名前で呼ばれず、「犯罪者」や「殺人鬼」などと呼ばれて、気の弱い生徒達は、私に顔を見られただけで怯える始末。
そしてA子達からは、暴言、暴力など、いじめのオンパレードだ、財布や制服を燃やされた時は、今にも泣きだしてしまいそうになったことを覚えている。
やはり、いじめというものを自覚することは、大変難しいことらしい。
しかも奴らは、私に悪意ある行為をしておきながらも、私も共に楽しむことを強要する。
ただ、遊んでいるだけだと思っている様だ
これには、とっておきのお仕置きが必要だ、とびきり辛く、苦しい罰が。
いいことを思いついた、いや、思い出した。
私の大切な[友人]の知恵を借りるとしよう。
その後、すぐにA子達に話した。
「面白いものを見せてあげるから、
屋上においでよ」
私は、歯を剥き出しにして、まるで獲物を狩るライオンの様な笑みをこぼしながらそう言った。
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