学校にて

 数日間休んでいた学校に久々の登校だ。

 教室に入ると、毎朝うるさく騒ぎ立てる男子生徒や、一見仲の良さそうに見えて、いつも陰でマウントを取り合う女子生徒さえも静まり返り、重い空気が流れていた。


 クラスメイトが1人死んだんだ、仕方がないだろう。

「オマエが殺した」

 今日の最初の授業は何だろう?

「オレを殺したんだ」

 早く準備をしないといけないな。


 静まり返った教室の中で、1人の女子生徒が声を上げた。

「あんた、どのツラ下げてガッコーにきてんの」

 その言葉を発したのは、このクラスの女子グループをまとめるボス、A子だった。


「どういうことだ?」

 A子は答えた

「あんたのいじめが原因で、アイツが自殺したんだって噂でいっぱいだったの」


 咄嗟に自分を守ろうと、声に出して弁明しようとした。


「いや、違っ「オマエが殺した」

「オマエがオレを」

 あの声が、だんだん強くなる。

      はっきりと笑う彼の姿が映る。

もう自分にも皆にも誤魔化しが効かない。


「オレがアイツを殺した」

 私ははっきりとそう言った。

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