第12話 絶望と希望は繰り返す

「ははは...なんだよ...結局見当違いってことかよ...」


流石に心が折れた。

だって目の前にあるのは草原だけ。


というか、魔物とかホントにいるのか?

平和そのものすぎる世界で、俺は一体何をすればいいんだ?


「あーあ、結局俺は主人公の器じゃないって事か」


やっぱりあの崖から飛び降りておくべきだった。そうしたら今頃...どうなってたんだろうか。また転生してんのかな?



「とりあえず墓でも建てとくか?もしかしたら誰かが...」

「あのー、大丈夫です?」

「...あぁ?...って人!?え?あ!」

「なんか凄い汚れてますし、これ使ってください」



俺は目の前に現れた女からタオルと水をもらった。


「え、ありがとうございま...」

違う、これは何かの罠か?この前も騙されたじゃないか。


「やっぱりいいです、どうせなにかお返しも出来ないですし」

「...?困ってそうだったのでお助けしたつもりでしたが余計なお世話でしたか?」

「いや...まあ、やっぱり貰います」


そうして少し離れてから身体を拭いて戻ってきたら恐らくパーティーメンバーであろう人達が他にも3人ほど集まっていた。


「あ、その、ありがとうございました」

「...いやいや、大丈夫ですよ。それよりこんなところで一人で何を?」


俺はとりあえずいままでの経緯をこの人達に話した。


「なるほど~、つまり冒険者になりたくて村を出たは良いものの一文無しでひたすら歩いてきた...と」

「はい、お恥ずかしながら...かなりの田舎者でして、街が何処にあるのかも分からず...」


「だったら俺達に着いてくるか?街までの案内になるが...荷物持ち位してくれたらとりあえず案内はしてやるよ」

「え?いいんですか???是非!」


こうして、俺は臨時の荷物持ちとしてこの人達と街を目指すことになった。

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異世界転生特典ガチャでSSSを引いた件 若葉 @wakana-101

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