第42話 夏鈴卒業

「母屋に大きなお風呂場があるんだ、一緒に入ろうよ」

「誰か帰ってきたら、やばくない?」

「大丈夫だよ、もうお湯入れてあるから、脱いで」


「は?」

 夏鈴はTシャツを脱ぐと、白いブラも外した。パンティーはさっき脱がしてあるのでスカートを足元に落とすともう真っ裸だ。

「早く」

 せかされるように亮も素っ裸になった。


「走るよ」

「え」


 夏鈴はドアを開けると外に駆け出した、誰かが見ていたら、一瞬そんなことも思ったが、心配はなかった。

 周りに家はない。高い建物もない、敷地の周りは生垣。荷物の配達でもなければ誰の目も気にすることはない。

 裸で庭を突っ走るというのはわりとスリルがあって面白いものだと思った。


 風呂場は、木造、多分ヒノキ張りというやつだ。しかも六畳ぐらいの広さがある。雅美の家もびっくりしたが、吉村家も金持ちなんじゃないかと思えてきた。


「ねえ、洗ってあげようか」

「俺が洗ってあげるよ」

「やらしいことしようとしてない」

「どんな?」

「おっぱい触ったり、あそこに指入れたり」

「そんなことされたいんだ、変態だね」


「違うもん」

「前に座んなよ」

 亮は手に石鹸を付けるとおっぱいをゆっくり揉んだ。

「やだ、くすぐったい、洗ってるんじゃなくて絶対触ってる」


 お腹と背中は、すべすべだ、夏鈴がくすぐったがって逃げるのが面白い。

「ふう、もうういいよお、疲れちゃった」

「じゃあ、湯舟に入ってて、ちゃっちゃっと洗うから」


 亮が湯船に入ると、夏鈴がすりすりと寄って来た。

「抱っこして」

 亮の身体を背もたれにして夏鈴が張り付いてきた。

 当然後ろから胸を揉むしかないじゃないかと思う。


無事開通した。


 お湯を流すと水が赤く染まった、抜いた亮のものも夏鈴のそこも赤く染まっている。ベッドなら大変だったろうなあ、そんなことを思いながら、亮はぐったりした夏鈴の身体を丁寧に洗っている。


「部屋に戻ろうか」

「うん」

「歩ける?」

「なんか擦れると中が痛い」


 と、言うことで来る時と違い、ゆっくり歩きながら帰る。素っ裸だ、冬なら風邪ひくなと思う。



やっぱりベッドの上は柔らかい。

「もう一回して」

「いいけど、なんで」

「だってみんなとは、もっといっぱいしてるでしょ」

「そりゃあそうだけど」

「じゃ、私にも。中が擦り切れるほど入れて」


 いうなり夏鈴は亮のものを咥えた。

 舌の使い方がうまい。咥えながら亮の手を取ると胸に導いた。

 自然と前かがみになり耳元に顔を寄せることになった。

「可愛いよ」

 ものから口を外すと夏鈴はニコッと笑った。なんか最初よりマジで可愛くなったと思う。


「私も口でしてほしい」

 夏鈴は横たわると脚を大きく開いた。


夏鈴二度目のセックスも無事に済んだ。


 帰りの道が思った以上に遠い、結局それ以外にもう一回せがまれて出してきた。

 ちょっとばかり、ぼーっとしていたのかもしれない。

 国鉄関西線の跨線橋を超え、下りで加速していったところ、路停まっていたいた乗用車がいきなり扉を開けた。

 普段なら止まっている車には注意するのだが、今日は車がいること自体に気が付かなかった。


 アッと思ってブレーキをかけたが既に遅かった。何せ自転車の速度は軽く三十キロは越えている。

 亮はとっさにペダルを蹴りこむと大きく前方にとんだ。毎週一時間の柔道の授業が功を奏したのだろう、受け身が見事に決まった。


 ジーンズのミニを履いた若い女性が、慌てて飛び出してきた。目撃した何台かの車も心配して止まってくれた。

「大丈夫ですか、わたし何考えてたんだか」

 女性が泣きそうな顔で亮のそばにしゃがみこんだ。

 おかげでスカートの中が丸見えだ。ブルーのパンティ。


「大丈夫、だと思います」

 亮は手足を動かし体を起こした。

「兄ちゃん、すごい受け身だったなあ、自転車も大丈夫だよ」

 停まってくれたトラックの運転手が、自転車を運んできてくれた、確かに体はどこも以上なさそうだ。


「私、甘木紀子といいます」

 家まで送ると言われ、亮は素直に従った。自転車は輪行仕様で分解できることを彼女は知っていた。タイヤを外して後部座席に押し込んだ。

「お医者さんか看護婦さんですか?」

「え、どうしてわかるの、看護婦だけど」

「さっき俺の状況を慌てながらも確認してたから」

「すごいね、あ、えっと」

「あ、亮、住谷亮です」


 という話をしていたら、あっという間に家についた。

 後ろのドアから自転車を下ろしていたら、こうこが出てきた。

「おかえり、どうしたの」


「あれ、加納さん?」

「え、甘木先生、どうして」

 こうこと紀子は知り合いらしい、なんて偶然だ、と亮は思った。


「つまり加納さんの彼氏なんだ、そっか、じゃあもし何かあったら加納さんを通じていって。どんなことでも対応させてもらいますから」

 そういうと紀子は、頭を下げて車に乗った。


「よかったね、たいしたことなくて」

「うん。まあ、しかしこうこの先生とは」

「噂では、今、彼女ちょっとナーバスなんだ」

 なんだ、なんだ、面白そうな話じゃないか。

「知りたい? 家来る? 今誰もいないというより、今日も夜まで帰ってこないから」

 えっと、それはつまり、まあ大丈夫か後二つぐらいは絞り出るだろう。

 

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おんな好き 大阪編 いよいよ高校生になる ひぐらし なく @higurashinaku

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