第9話

しばらく、思索にふけっていた。

書店でたまに見る『構想10年の大作』という新刊の帯は言い換えれば10年間、迷走していたという事を格好良く言っているだけだと思う。もし読者に対する本を出せなかった言い訳ならば素直に『構想10年の迷作』ぐらい自虐的な帯で許しを求めた方が潔い。

上に書いた事は筆が遅い私にブーメランのように跳ね返って来るから、なんともバツが悪い。私は迷作中の迷作、1000年に1度の迷作を生み出せるよう今後も迷って行きたいと思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

日常の渦巻き @rintaro614

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ