がられっから

Roine ⛈☔

第1話

『既成概念とやらをなんか覆したい。』

────文章を思い描く時には登場人物の発言から始めると小学校四年生の時の担任いわく良いらしいので発言から初めて始めてみた。


『では君は人が隣にいる事で起こる幸福ってなんだと考えますか?教えて下さい。』

少し違うが一般的には家庭科と呼ばれる授業中、

たった一人に対して人類の全てを尋ねる様な質問をうざったらい教師がした。


それに僕は全ての思考を連れて行かれた。

手を引くというより心から惹き寄せられた気分だ


僕はこう考える、

人が隣にいる事で起こる幸福の前に自分自身が

存在している時点で幸福ではないと。


だってそうではないでしょうか

少子化等と騒ぎ立ててもいつか人類は終わるのに

勝手に親の都合で命を与えられてからの不幸は

誰が願った物なのかと。


確率とか神やら運命等の綺麗事の前に

命を与えた親に『食費抑えろ』や『水道代節約』

と言われたく無いなと思えてきた。


なら最初から命与えんなと


身の周りの奴らなんて小さな頃から音楽にダンスに習字に空手にと英才教育とやらで

絶賛、親のアクセサリー化。


もしもそいつの親が未成年の頃に

『高校の数学ってぶっちゃけ日常で使わないし

 本当に役にたつか分からないよね?』

とでも言っていたら同じ生徒ながらも

家庭訪問に行って放ってやりたい。


【親になってからお前はさせる側になってるぞ】

という錆び切ったカッターナイフぐらいの

攻撃力のある言葉を。


それらをずっと駅で前に並んでいるサラリーマンの鞄に付けられたゴリラのストラップと眼を合わせて話しかける様に自分はしていた。


ぬいぐるみの質感なのに

なぜ製作者はゴリラの瞳を赤くしたのだろうか、

主張と存在感がえげつない。


それから電車の中でスマホでパチンコでもしてるのかという形相の人や七福神の恵比寿様を人物化したかのようなおじさんが居るなと脳内に資料を撒き散らしながら家に帰ってきた。


『某青狸と零点連発製造機眼鏡』の家の造りに似た我が家では玄関からすぐに一室と階段がある。


なので自室に向かおうとすると

『おかえり!』という元気な声が戸のわずかな間から刺々しいフキダシが飛び出すかの様に廊下に響くが僕は気にしない。


自室に入ると待ち構えていた様に電話の着信音が申し訳無さそうに静かに鳴った。


『アタオカ七億円分の歯磨き粉』という着信画面

同じクラスの鞏幽[くうゆう]からの電話だった。


人差し指でスライドして電話許可すると

『間に合わないから速く作るよ!』鞏幽は言った


『分かったって』


PC等の機材の置いてある机に座ると画面と

全てを忘れて真剣に向き合った。


『おまえ今日なにしてた?』

『知らない人のゴリラのストラップみてた』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

がられっから Roine ⛈☔ @user_roine

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る