甘酸っぱい衝突をして毎週飲み干すスパークリングレモネードで今日を生きる

梶檸檬と立花薫の性格が特徴的で、読みやすく、面白い。
三幕八場の構成で書かれている。
どんでん返し入れる場所は、三幕七場八場。
一幕:二幕:三幕は一:二:一と、押さえるところは押さえて作られている。

お話全体を引っ張っていくのは、スパークリングレモネードである。
小さな謎は、主人公に起こる様々な出来事。
最後は二つの謎が一つに結びついていく作りになっている。
しかも、主人公の梶檸檬は個性的でキャラが立っているし、立花薫もまた、檸檬とは別の個性的なキャラクターとして描かれている。
この二人で物語が展開されていくのが良かった。
カクヨム甲子園のロングストーリーとはいえ、五十枚が上限なので短編である。
作品を読ませるには、登場人物を増やさない方がいい。
増やすとキャラクターを深く描けなくなるから。
その点を良くわかっているからこそ、二人の話を描いたのだと思う。
読む側としても、読みやすい。

タイトルの『スパークリングレモネード』がインパクトがあっていい。

素直になれない二人の関係は、スパークリングレモネードのごとく、甘酸っぱさと強い刺激を与えあうものだった。