こんな経験が大人にさせる。

何年か前にPRETENDERと言う曲が大流行した。
あれ程共感されたワケ。

それは大事な異性が自分の物にならない普遍的苦しみという多くの人の心を代弁したからだ。


そしてこの小説。恋とさえ呼べるかも分からないものにさえその苦痛は存在する。

それで思い出した。ある時、思い入れのない女友達(多少好かれていた自覚がある)が、こうした告白をしてきた事があった。 何も思わなかった。

逆にとても気になってた人が自分と別の異性と旅行に行ったと言う、ただそれだけの話を聞いた。物凄い苦痛に見舞われた。

必死に別の誰かとの出会いを探した。
随分遠回りしてそうした物に出会えた。
そうやって大人なっていく。

この小説はそうした途上の忘れていた青い何かを強烈に思い出させてくれる。

人生の一幕その物だ。今、この苦痛の最中の様な境遇の人に言いたい。これも青春の光と陰、将来良い出会いがあった時の喜びのブースターであると。

この苦痛の無い人生は喜ぶべき時の感動がふた回りほど小さいのだと。