天使の選んだクリスマス3

小林飛翔(Al)

共鳴する2つの魂

とある、手紙に······


[(りららズ、グランドファーザーへ)


昔から本当に世話になっていることになるね。

僕は、りららちゃんのおじいちゃんみたいに、小さい子に夢を配る仕事やったことないな。

偶に、いるけど、ほとんど大人。

そり疲れないの?

一つ言えることがあるんだ。

りららちゃんは何か、時間をひっくり返すことができる。

それは、何かを自分の命に換えてでも、という時に起こる。

まー、気負いしないでね。

こっちは、そりに乗ったこと昔にしかないし、そんなにもう大きくないしさ。

      

         寒くなるね、お気をつけて

                 耳人形]


雪の積もる夜。

その置き手紙は、エントランスのロビーの茶色の靴箱の上で、頼りなくそれに靴べらで重しとされていた。


ガチャ!

扉が開く。


「りらら、わしのお気に入りの靴べらはどこじゃ?」


「おじいちゃん、そこにあるじゃない。」


「ん?どこじゃ?は、、は、はくしょん!!」


「おじいちゃん、すごいくしゃみするのね。」


「靴べらより、かみじゃ、かみ、

あった!!、ズズー」


「あった? 靴べら?」


「かみじゃ、かみ!」


「靴べらは?」


「あ、あったぞ!」


「やったー!

あれ?誰だろう?外からすずの音が聞こえるよ!」


一部始終を、耳人形は遠く見ていた。

「調べたよ。

梨璃っていう女の子はクリスマスの前日に死んでいるんだ。

お母さんも、お父さんも、一家そろって交通事故で亡くなっている。

あーあ、人間って嫌なものだな。

りららちゃんの夢の中ならまだしも、時が入れ代わっているなんて、もう三途の川の話だ。

梨璃ちゃん、りららちゃんのすずの音が聴こえてよかったね。」



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天使の選んだクリスマス3 小林飛翔(Al) @alpacahisho

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