ディスグラフィアについて

ディスグラフィアとは何か

　私は昔から文字を書くのが苦手でした。

　小学生のころ漢字テストが本当に苦手で、中でも100問テストと言われていた漢字のみが出題されるテストが地獄でした。

　困った私は母に相談し、母と深夜3時まで必死で勉強して自信満々でテストを受けました。あれだけ頑張ったのだから大丈夫のはずだと。

　結果、100点満点のテストで40点でした。

　自分にがっかりです。

　今でもあの時の深い絶望と挫折は忘れられません。

　そのような感じで、どんなに勉強しても漢字などが覚えられない。正確には、覚えた形状を思い出すことが出来ないという事が多々おきました。

　私の場合ひらがな、カタカナは問題なくかけるのですが、漢字は見本を見ながらでないと綺麗に書けません。そのため、学校などで板書をメモする際も、よく見比べないとメモできないため、癖のある板書をする教師の授業などはメモを取るので精一杯だったりしました。あと、絵を書くのも苦手です。

　記憶領域に何等かのエラーがあるのかなと思っていたのですが、先日とある答えに到達したので、情報整理と感覚共有をするために文章化してみます。

　私は以下の症状がありました。

　・特に漢字が覚えられない。

　・簡単な常用漢字が思い出せない。

　・漢字を書くとバランスが崩壊しがち。

　・一定の文字サイズで文章をかくのが苦手。

　・「む」と「ぬ」と「ね」を稀に書き間違える。

　・稀にヨがEになったりする。逆もある。(鏡文字)

　・数式の記号が逆になったりする。

　・英単語でスペルミスが多い。

　・板書をメモするのが遅く、間に合わないことがある。

　・丁寧に文字を書こうとすると滅茶苦茶時間がかかる。

　・人前で文字を書こうとすると頭が真っ白になる。

　・人生で数回自分の名前を書き間違えたことがある。

　大体こんな感じでしょうか。まあ、色々苦労してきて、それでも何とか生きてきたわけですが、どうやら以上のような症状があることをディスグラフィアと呼ぶようです。

　私の場合は脳の音韻処理という部分が弱いようですね。

　これがどういう感覚なのか共有させていただくと、例えば「正四面体」という図形がありますよね。数学とかの授業で聞いたことがあるかもしれないし、実際その図形を見れば、「ああ、これか」となるでしょう。

　しかし、なんの資料もなく、いきなり「正四面体を書いてください」と言われたら少し困惑しませんか？「どんなんだっけ？」って迷いませんか？

　もちろん一発で書ける方もいるでしょうが、「こんなんでよかったよね？」と少し不安になるのではないでしょうか。

　何故なら、一部職業など例外はありますが、基本的には学校を卒業してから日常において正四面体を意識して書くことはあまり無いからです。だから「正四面体」という音と図形(ビジュアルイメージ)が脳内でイコールで結ばれていないのです。

　そのため、見たことある、聞いたことがあるけどなかなか書けません。

　ディスグラフィアの人はおおむね全ての文字を、その感覚で書いています。

　読むことはできる。音は知っている。見ればそれがなんと書かれているのかわかるのに、いざ自分が書こうとするとわからなくなる。わからないまま想像で書いたり、パーツ単位で書くのでバランスが崩れたり存在しない文字になってしまう。

　私は人の顔と名前が一致し辛い（なかなか覚えられない）のですが、これも音韻処理が影響しているかもしれません。

　不思議ですよね。

　ちなみに明確な治療法はないそうですが、小学生低学年までぐらいであれば、トレーニングで多少改善が見込めるようです。

　私はこれが解って少しすっきりしたので、上記のような症状で悩んでいる人がいたならディスグラフィアで調べてみると良いかもしれません。

　最後に、自分がディスグラフィアだったり、身近な誰かがディスグラフィアだと思われる方に伝えたい。

　確かに色々大変です。いろんな場面で苦労するでしょう。でも大丈夫です。弱点さえ把握していれば対策は立てられます。

　だから、これを理由に「障碍者なんだ」とレッテルを貼らないでください。人よりハンデはあるかもしれない。でも人類は大なり小なり、誰しもが何らかのハンデを背負っている。完全な人類は存在しない。

　ハンデの有無で自分を、身近な誰かを諦めないでください。これくらいなら何とかなります。

　少なくとも私は大丈夫です。

　それでは、突発的エッセイでした。次回は特にありません。質問があればコメントにどうぞ。

　終