ただ夢中で走り続けるだけなら誰にでもできると気付く時まで

揺れたりぶら下がったり、進路を悩む気持ちがよく伝わる。
書き出しの妹とのやり取りが、兄らしさを演じている様子と素直にやりたいことをしようとする妹との関係が、良く書けている。

来るなといっても、夏に台風が来るように、自分ではどうにもならない。
来てしまう前提を受けとめて、だったら自分ならどうするのかを考えなくてはいけない。

クラスメイトの日倉は、本当にいいことを言っている。 
誰であっても、ただ夢中になって走り続けることだけしかできないのだ。
やりたい、やりたくないではなく、ただ明日に向かって走るしかできない。
過ぎた日を振り返っても、戻ってはこないのだから。