年に一度の

@ponponponzu

花を君に

「おはよ〜」

「いやもう昼だから…」

「細けえなあ…挨拶だったらなんでもいいだろ」

「んなわけあるか…」

「ほーい。今年も花買ってきたぞ〜」

「ああもう勝手に…!…今年はピンクにしてみたんだよね」

「俺はもっと派手なやつの方がいいって言ったんだけどさー」

「あんま派手なのは好きじゃないだろ。恥ずかしいって嫌がられるかなって思ってね」

「ほら、見ろよ。お前が好きなケーキも買ってきた。チョコのやつ。」

「君ほんとにチョコ好きだもんね。…このケーキほんとよく出来てるな…」

「だろ?俺が選んだからな。…ほら、ロウソク。火つけようぜ」

「せっかくだしね。ライター持ってる?」

「持ってきたぜ。…はい、つけれた」

「よし。…もう、1年経ったんだね」

「はえーな。あーそうだ!こいつさぁ、彼女できたんだってよ!」

「ばっか。だから彼女じゃないって言ってるだろ?ただの友達だって…」

「とか言いながら、ほんとは気になってんだろー?」

「…別に?…というかお前こそ彼女とかいないの?」

「えー?んー…俺はずっと好きなやつがいるからなぁ…」

「…だって。聞いた?きっと君のことだよ。…たまには君から会いに行ってあげたら?」

「ばか余計なこと言うな。…でも、どんな形でも会いに来てほしい、けどな…」

「…そのときはついでに僕のところにも来てね」

「おい」

「僕だって会いたいからね。僕らから会いに行くと怒られちゃうだろう?」

「…それはそうだけどよ」

「だろう?…さて、そろそろ帰ろうか」

「そうだな。あ、ケーキ食ってくれ。…固いって文句言うなよ?」

「ふふっ。…じゃあね」

「…じゃあな」

「「また来年」」

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