確率問題に擬態した、生きる意志を問う試練

姉のスペアとしての運命を与えられ、囚われた人生を送っていた妹。
その役割が失われ、空虚な日々を過ごした果てに冒頭の「お題」にたどりつくわけですが。
そこで妹が知るのは、姉こそが囚われた存在だったという事実。
そして妹を思うあまりに姉が取った行動と、その結末。
妹を思う姉の心情がよく伝わってきます。
姉の思いを自覚して、はじめて妹は自分の存在の意味を自覚し、そして生きるという意思を持つことができたのでしょう。
姉妹の間に通じる感情を丁寧に描いた、良作です。