第283話 暇ぬい
ぬいは考えていた。
「
蒼唯がダンジョン核を解析して得た情報から推測するに
それを阻止する。もし仮に実現してしまった場合でもモンスターの根絶のためにも、『可愛いが溢れた世界』その第一段階として、まっくよの眷属『ミニまっく』の創造を目指した全地球菌床化計画は、理に適っているとぬいは考えていた。
「
しかし、リリスの調べではスキルを無視するモンスターの目撃情報は今のところ無い。
ダンジョン核の秘密を解明した後も、ぬいとまっくよたち以外の所では出現していないため、モンスターが闊歩する世界にする事が
そのため『可愛いが溢れる世界』が裏目に出る可能性も出てきてしまう。
【どう考えても一般モンスターが闊歩する世界よりも、『ミニまっく』が世界中に普通に生えている方が異常ですので】
「まく~?」
【この世界を元々の状況から解離させる事で何かを起こす。例えば私たち魔族に伝わるもので、人族の負の感情を集約し過去に封印された魔神を解放するという言い伝えが…】
「ぬいぬ?」
【と、兎に角、敵の最終目標は分からずとも、何をしてくるかはある程度判明している現時点で、大博打を仕掛けるべきでは無いと言う話です】
「ぬいたちには悪いですが、こはくたちの安全面とかもやらなきゃならんです。なので一旦はあの計画はお休みです」
途中でリリスが何処かに行ってしまったので、早々と終わった昨晩の話し合いであるが、ぬいたちを納得させるには十分であった。
ぬいたちとしても、渾身の計画が相手の益になるのは面白くない。
「
そのため蒼唯からは、いつも通り過ごすように言われているのだが、大規模な計画を実行するためのやる気を持て余した現状、いつも通りにダンジョンを荒らす程度では到底収まらない。
【な、なぜそんな顔が、我のこ…ダンジョンをこんな茸まみれにしてのこいて、何故そんな興味のこ無さそうな顔ができの…る!】
「
【ひ、ひま! ふざけの…こ!】
「
とは言いつつも、そんな低いモチベーションで、ダンジョンを崩壊させられる方は堪ったものでは無いのだが。
また一つ、自分の茸畑を手に入れたぬいは、『のこちゃん』を寄生させたモンスターやダンジョンマスターたちと一緒に畑を整えながら考える。
「
やっぱり全地球菌床化計画は魅力的であると。しかし蒼唯から怒られる可能性を考えると難しいのが現実である。
【のこ?】
「
【のこー、のこのこ!】
「
そんな悩めるぬいに対して、1本の『のこちゃん』から提案が成される。
それのアイディアは全地球菌床化計画に比べると小規模ではあるが、持て余したやる気を発散させる程度にはちょうど良い規模のアイディアであった。
そのため、ぬいはそれを実行する事になった。流石に無許可では怖いので蒼唯にはしっかりと確認を取って。
後に、この時リリスには怒られそうなため秘密にしていた事が、とある大事件が発生した折にバレることとなるのだがそのときのリリスの反応は、それはそれは絶妙に微妙なものとなるのであった。
錬金術師のハンドメイド~フリマやってるだけなのに伝説的な扱いされてました~ 和ふー @qupitaru
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