2.クリニックに受診

「ここで手術をしてもらおう」

 と決めて受診したクリニックでした。


 長年お世話になっているクリニックもあったのですが、昔の職場の近く、つまり家から少々遠いという理由と、

 一応手術も行っているけれど、「手術推し」というわけではなく外来受診がメインのクリニックだったため、

 新規開拓をしたわけです。


 はじめて来たクリニックは、とてもきれいなところでした。

 受診しているほかの患者さんがちょっとマナーが悪い人が多めだったのは、立地的に若い人が多い場所だったからか。それとも時間帯のせいか。

 受付の人などは丁寧に対応してくださいました。


 診察室に呼ばれました。

 お医者さんは、50代くらいかな?という年齢の男性です。

 年齢の割にはまだまだエネルギーを感じる、元気そうな方です。

「鼻中隔湾曲症と言われたことがあるのですが、手術適応になるくらいの症状なのかどうか、お医者さんに診断してほしくて」

 と伝えて、診察を受けました。


 まず鼻の中を見せてくださいねと言われ、器具で開いてすぐに

「ああ、こりゃ曲がってるね」

 と即答でした。


 人によっては、手術するほどじゃないとか、手術するかどうか迷うくらい、という診断もされることもあるようですが、私の場合、鼻の穴をちらっと見ただけで、もう手術をすることを前提とした診察になりました。


 診察後にレントゲンの撮影をしました。

 平面ではなく、顔の周りをぐるっと一周、カメラが回るような、立体的なヤツです。


 撮れた画像を見せていただきました。

 見事に、鼻の中央の軟骨が曲がっていることと、そのせいで鼻の中の空洞がほとんどなく、細い通り道しかなくなっていることがわかりました。


 鼻の通りが悪いとは思っていましたが、こうして写真の形で断面図を見ると、あーこりゃ息苦しいだろうな、と納得。


 先生から、手術についての説明があります。


 もともと調べてきたから知ってます。

 手術の内容。

 この曲がった骨を丸ごと取り除いたり、または削ったりしてまっすぐにする。

 粘膜が腫れていたら、焼く。

 ほかにも鼻の通りに邪魔になっている組織があったら取ったり焼いたり切ったりいろいろする。


 想像すると怖いけど、すでに覚悟はしてきています。


 このまま手術をお願いしようとしましたが、そこで医師からNOを伝えられました。


「お薬手帳を拝見したけど、抗うつ薬や抗不安薬を飲んでますね。日帰り手術は局所麻酔なんです。不安の強い方は、全身麻酔で手術をしたほうがいい。でもクリニックは入院設備がないんです。全身麻酔の手術はできません。他の病院を紹介します」


 私は、「えー?」と思いました。

 この先生なら安心して手術をお願いできる、と思ったからこのクリニックに来たわけです。

 それに、何日も入院して、全身麻酔で手術を受けるなんて、大事じゃないですか。

 日帰りで済むならそのほうが……。

 そこそこ痛いのとか、削られるのとか、別にけっこう平気なんですけど……。


 けれどお医者さんに説得されて、

「じゃあ、上手なお医者さんを紹介してください」

 とお願いし、総合病院の耳鼻咽喉科への紹介状を書いていただくことになりました。


 この時点では、私は、

「せっかくこの先生に執刀してもらおうと思ったのに。入院もイヤだし。日帰りで大丈夫って言ってるのに」

 と思っていました。


 が、先生の判断は正しいと今では思っています。

 その道のことはその道の人がよくわかっているんだから、「こうしたほうがいい」という話はちゃんと素直に聞くべきですねえ。


 そういうわけで、今度は大きな病院に行くことになりました。

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鼻中隔湾曲症の手術を受けました 武燈ラテ @mutorate

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