必殺仕事人風台本11『善兵衛2』
Danzig
第1話
町娘と善兵衛が屋敷の中
お酌をする町娘
町娘:どうそ・・・
善兵衛:うむ
善兵衛:どうした、ぎこちない酌だな
町娘:申し訳ありません
善兵衛:酌をするのは初めてか?
町娘:はい
善兵衛:おぉ、そうか、そうか
女の手を握る
町娘:あ・・何を・・
善兵衛:では、男も知らんのだな
善兵衛:へへへへ、これから、もっといろいろな事を教えてやるからな
善兵衛:さぁ、もっとこっちへ来い
町娘:いや、何をなさるんですか
善兵衛:何って、お前にいろいろ教えてやるのさ
町娘:いや、やめてください
善兵衛:おぉ、おぉ、お前はいい声を出すんだな
町娘:いや・・・いや・・・
善兵衛:もっと色んな声を聞かせておくれ へへへへ
町娘:もう、こんな事は・・・
善兵衛:なんだ、これからじゃないか へへへへ
町娘:いや、やめてください
善兵衛:ここまで来たら、もう観念(かんねん)するんだな
町娘:もう、もう、帰してください
町娘:ここで一度だけお酌をすれば、帰してくれるって
善兵衛:何を言ってる
善兵衛:お前は借金の形(かた)でここに来たんだ
善兵衛:帰れる訳がないだろう
町娘:そんな、だってあのお金は・・・
善兵衛:ははは、どこの世界にタダで金をくれる奴がいる
善兵衛:あれは、お前を買う為の金なんだよ
町娘:そんな・・・
善兵衛:お前は、わしがたっぷり楽しんだ後、清国(しんこく)に奴隷として売られるのさ
善兵衛:さぁ、分かったら、こっちへ来い
善兵衛:ぜいぜい楽しませておくれ
町娘:いやぁ~
善兵衛:ははは
町娘:やめてぇ
善兵衛:ほら、顔をこっちに向けろ
善兵衛:んんんん
娘の唇を奪う
町娘:んんんんん
町娘:ぱぁぁ、はぁはぁ
善兵衛:ほれ、もう一度
善兵衛:んんんん
娘の唇を奪う
町娘:んんんんん
善兵衛:痛て!
町娘:はぁはぁ
善兵衛:こいつ噛みやがったな
パシッ
娘の頬をたたく
町娘:きゃぁ
善兵衛:いい加減にしろ
パシッ
娘の頬をたたく
町娘:痛い
善兵衛:この女(あま)、
善兵衛:優しくしてやればいい気になりやがって
パシッ(娘の頬をたたく)
町娘:あぁ・・
善兵衛:お前のような娘はな、身体を売るしか価値がないんだよ
パシッ(娘の頬をたたく)
町娘:いや・・
善兵衛:恨むなら、貧乏な生活しかできない、
善兵衛:自分の親を恨むんだな
パシッ(娘の頬をたたく)
町娘:ああ・・おとっさん・・・
善兵衛:はぁ、はぁ、やっと大人しくなったか
町娘:ううう
善兵衛:さぁ、
善兵衛:では、ゆっくりと楽しませてもらおうかな へへへへ
町娘:あああ
お菊の得物が飛んできて行灯(あんどん)の蝋燭(ろうそく)を消す
善兵衛:何だ・・・どうした
善兵衛:誰か、灯りを
善兵衛:何をやってる、早く灯りを持ってこい
町娘:う・・
お菊に腹を打たれて気絶する町娘
善兵衛:どうした、おい
善兵衛:はっ
善兵衛:誰だお前は・・・
バキッ
お菊に殴られる善兵衛
善兵衛:うっ・・
暗がりの中でお菊の得物を見せられる
善兵衛:な、なんだお前は・・・ひぃ
善兵衛:こ、殺し屋か・・・
善兵衛:どうして、わしが殺されなきゃならんのだ
善兵衛:わしは真っ当な商売をしてる、ただの商人(あきんど)だぞ
善兵衛:何かの間違いじゃないのか
バキッ
お菊に殴られる善兵衛
善兵衛:助けてくれ、な、助けてくれよ
善兵衛:わしを生かしておくと、いい事があるぞ
善兵衛:お、お前、何か欲しいものはあるか、
善兵衛:わしは何でも手に入るぞ、さ、何が欲しい
バキッ
お菊に殴られる善兵衛
善兵衛:ひぃ
善兵衛:わ、わしはお代官様にも顔が利くんだ
善兵衛:お前、好きな事が出来るぞ、出世か、したいのか
戸棚まではっていき引き出しを開ける
善兵衛:ひぃ
善兵衛:か、金か?
善兵衛:金なら幾らでもやる、いくら欲しい、百両か、二百両か
善兵衛:好きなだけやる
善兵衛:一生遊んで暮らせるぞ、な、な
善兵衛:だから、命だけは、
バキッ
お菊に殴られる善兵衛
善兵衛:ううっ・・
お菊:そいつは、あんたの大事な金なんだろ?
お菊:だったら、三途の川の渡し賃として、向こうに行くまで大事に持っときなよ
善兵衛:ひぃぃ
襖を開けて廊下に逃げる善兵衛
善兵衛:だれか、だれか助けてくれ、だれか!
お菊:ふんっ(得物を投げる)
お菊の得物が飛んできて善兵衛を捕らえる
善兵衛:う・・・ぅぅ(死に方は任せます)
絶命する善兵衛
お菊:ふぅ(呼吸を整える)
お菊:その金で、地獄の閻魔様にでも貢(みつ)いでみるんだね
姿を消す仕事人
完
必殺仕事人風台本11『善兵衛2』 Danzig @Danzig999
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